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【初心者向け】DSP広告の仕組みをやさしく解説
小西 瑛子
2013年株式会社マイクロアド入社。DSP営業を経験後、大手人材会社でメールマーケティングを経験。その後SSP営業・カスタマーサクセスを経て現在はマーケティングに携わる。
こんにちは、Ads University編集部の小西です。
Webマーケティングに携わる方なら、一度は聞いたことがあるDSP(Demand-Side Platform)。
普段DSPを扱っている方でも、意外とその仕組みについて詳しく理解している方は少ないのではないでしょうか?この記事では、DSPの仕組みについて、初心者の方向けにわかりやすく解説していきます。
目次を表示
- DSP広告とは
1.1 DSPとは
1.2 SSPとの違い
- DSP広告の仕組み
2.1 DSP広告が表示されるまで
2.2 各DSPの入札ロジック
2.3 RTBとは
- DSP広告のメリット・デメリット
3.1 DSP広告のメリット
3.2 DSP広告のデメリット
- DSP広告の選定方法
- まとめ
1.1 DSPとは
DSPとは「Demand-Side Platform」の略称で、広告を出稿する広告主向けの広告配信プラットフォームです。リアルタイムでの入札により、広告の費用対効果を最大化します。
簡単にいうと、広告を出稿する際に、
「どんなユーザーに(配信ターゲット)」
「どんな枠で(広告枠)」
「いくらで(入札金額)」
「どういう風に(クリエイティブ)」
広告を出すかを自動で最適化してくれるプラットフォームです。
▼DSPについてさらに詳しく知りたい方は下記の記事を参考ください。
【最新版】DSP広告とは?初心者にもわかりやすく仕組みを徹底解説します
【2022年最新】DSP広告とは?仕組み・メリデメ・選定ポイント~主要DSP運営企業7社をやさしく解説
1.2 SSPとの違い
DSPと併せて、必ずと言ってもいいほどよく耳にするのがSSP。
「Supply-Side-Plattform」の略称で、Supply-Side(つまり媒体社・メディア)の広告効果を最大化するためのプラットフォームです。
接続しているDSPやアドネットワークの広告の中で、一番単価が高いものを自動で選んで配信してくれるシステムです。
つまり、DSPは「広告を配信する側(広告主側)」のプラットフォームであるのに対して、SSPは反対の「広告を受け取る側(メディア側)」のプラットフォームで、双方の間で広告がやりとりされているということです。
▼SSPについての詳しい定義や仕組みについては、下記の記事で紹介しておりますので、ぜひ併せてご覧ください。
【SSPとは?】仕組みやDSP・アドネットワークとの違いを解説します!
この章ではDSP広告の仕組みについて詳しく解説していきます。
2.1 DSP広告が表示されるまで
DSPは、「どんなユーザーに(配信ターゲット)」「どんな枠で(広告枠)」「いくらで(入札金額)」「どういう風に(クリエイティブ)」を、瞬時に判断するプラットフォームです。
その瞬時の判断の裏にはどんな仕組みがあるのか、まずはユーザーに広告が表示されるまでの全体の流れを見ていきましょう。
① ユーザーが広告枠のあるWebメディアを閲覧すると、メディアはSSPに広告リクエストを送ります
② SSPは各DSPにcookieで取得したユーザー情報を送り、Webメディアに掲載したいか入札金額のオークションをリクエストします
③ DSPはターゲット条件とSSPからのユーザー情報を元に内部オークションを行います
④ 各DSPから掲載希望の入札単価を提示しSSPに送ります
⑤ SSPが最高入札金額のDSPをWebメディアに伝え、Webメディアは最高入札金額のDSPへ広告配信掲載リクエストを送ります
⑥ Webメディアに最高入札金額を提示したDSPの広告が表示されます
この一連の流れのことをRTB(Real Time Bidding)と言います。
2.2 各DSPの入札ロジック
各DSPには独自の入札ロジックが存在します。
SSPから受け取ったユーザー情報だけではなく、「広告枠の位置」や「時間・曜日」、「業種」、「どんな目的での広告配信か」等の変数を加えたうえで、最適な入札価格を算出しています。
2.3 RTBとは
RTBとは、「Real Time Bidding(リアルタイムビッディング)」の略称で、DSPーSSP間で広告のリクエストが発生するたびに、リアルタイムに入札を行い広告取引をする仕組みのことを指しています。
先ほど解説した入札の仕組みこそがRTBで、この取引はわずか0.1秒以内に処理されており、ユーザーに違和感を与えない、瞬時な広告表示を可能にしています。
この入札オークションには、大きく分けて「セカンドプライスオークション」と「ファーストプライスオークション」の2通りの落札方法が存在します。
■セカンドプライスオークション
従来のRTBでは、セカンドプライスオークションが主流でした。簡単に解説すると、オークションをした際に、落札できるのは1番高い金額を入札した広告主ですが、その落札価格は「2番目に高い入札金額+1円」になるというものです。
下の図で説明すると、A社~D社の入札額が下記の金額であった場合、一番高く入札金額を提示したD社が、広告を表示する権利を得ます。ですが、落札価格は45円ではなく、2番目に高い金額を提示したC社の金額:40円に、+ 1円をした41円で取引されるということです。
オークションによる価格の高騰を防ぐため、2020年ごろまでは、このセカンドプライスオークションが多く採用されていました。
■ファーストプライスオークション
一方ファーストプライスオークションは、その名の通り一番高い入札額を提示した広告主が、その金額で広告枠を落札する形式です。
近年Google社が、セカンドプライスオークションから、ファーストプライスオークション形式に変更したことで、ファーストプライスオークション形式の導入が一気に進み、現在は2つのオークション形式が並存しています。
セカンドプライスオークションとファーストプライスオークションという2つの落札形式が存在することによって、入札する広告枠の適正価格の見極めがより重要となります。
また、ファーストプライスオークションは、一番高い金額で入札した広告主の入札額が、そのまま購入金額になるため、一般的にセカンドプライスオークションと比較して入札単価が高くなる傾向があるので、注意する必要があります。
3.1 DSP広告のメリット
DSP広告を利用するメリットは2点あります。
メリット①
ターゲット設定が柔軟に行えるので、ニッチなターゲットでも広告配信でき、広告主のニーズに応えやすい。また、ターゲットとするユーザーを設定により拡張できるため、類似ユーザーにも広く配信が可能です。
メリット②
費用帯効果を最大化するアルゴリズムが搭載されているため、少ない運用工数で広告効果を最大化できる。また、ディスプレイ広告の一つであるため、リスティング等その他の広告種類よりも低い単価で配信が可能です。
3.2 DSP広告のデメリット
一方で、DSP広告のデメリットとしては、広告配信先を開示されないこともあるため、ブランド毀損・アドフラウドにつながる懸念があることです。
DSPが接続している各SSPには、不特定多数のメディアが連携されており、実際に広告がどのような枠に配信されているかが不透明であったり、メディア数が多すぎて制御が困難であるといったデメリットが存在します。
ですが、昨今広告主のブランド毀損への対策が焦点となり、各DSPは広告の透明性の担保・怪しいサイトに広告配信がされないように取り組みを強化しています。
安全に広告取引が行われるよう、2020年12月には「JICDAQ」という、デジタル広告の品質確保に関して、公正な広告活動支援するための第三者機構も設立され、JICDAQに認証されているDSPであれば安全に広告取引を行うことが可能になります。
多くの種類があるDSP。DSPの選定時に重要となってくる点は、目的の明確化です。
・広告出稿の目的/KPI
・配信したいターゲット
・配信枠
上記3つの項目を明確にしたうえで、各目的/ターゲット/枠の条件を満たすDSPを探すのが良いでしょう。
DSPによっては、リーチを最大化することを得意とするものもあれば、顕在層に的確に配信することを得意とするものもあります。また、行えるターゲティングも各社異なります。
昨今は、Web上の様々なデータを管理するプラットフォームである、DMP「Data Management Platform(データ マネジメント プラットフォーム)」と連携し、Web上の行動特性だけでなく、オフラインの行動データも加味して配信ができるDSPも登場しています。
また特定の業種にマッチした配信枠を多く保有しているDSPもあります。
広告出稿の目的を明確にして、適切なDSPを選定しましょう。
今回はDSPの仕組み・メリット・デメリット、DSPを選定する際のポイントについて解説しました。
DSPの仕組みを理解し、課題・目的・目標に応じて活用するDSPを選定しましょう。
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