【2022年最新】DSP広告とは?仕組み・メリデメ・選定ポイント~主要DSP運営企業7社をやさしく解説
Ads Universityブログ編集部
UNIVERSE Adsの紹介から、WEBマーケティングに携わる方向けに、アドテクノロジーに関わる幅広いコンテンツをお届けします。
こんにちは、Ads University編集部です。
Webマーケティングに携わる方なら、一度は聞いたことがあるDSP(Demand-Side Platform)。
本ブログではDSPについて、初心者の方向けに理解できるよう、仕組み・メリット・デメリット、広告出稿時における選定ポイントなどをおさえ、国内主要DSP企業についても解説いたします。
▼こんな方におすすめです
・Webマーケターになって間もない方
・新卒でWebマーケティングに携わる方
・これからDSPの広告出稿を検討している方
目次を表示
-
1.2 DSPが誕生した背景
1.3 DSPの仕組み - DSPの特徴・メリット・デメリット
2.1 DSPの特徴
2.2 DSP広告を導入するメリット
2.3 DSP広告におけるデメリット -
3.1 配信目的・目標
3.2 課金形態・最低出稿料金
3.3 在庫・配信ボリューム
3.4 ターゲット
3.5 配信先
3.6 運用サポート
- 国内主要DSP企業(2022年 2月現在)
4.1 UNIVERSE Ads|株式会社マイクロアド
UNIVERSE Ads ジオターゲティング
4.2 Red|株式会社フリークアウト
4.3 Logicad(ロジカド)|SMN株式会社
4.4 ADMATRIX DSP|株式会社クライド
4.5 UNICORN|UNICORN株式会社
4.6 Criteo|Criteo株式会社
4.7 Dynalyst|株式会社サイバーエージェント - まとめ
1.1 DSPとは
DSPとはDemand-Side Platformの略称で、広告を出稿する広告主向けの配信プラットフォームです。
広告の費用対効果を最大化し、広告出稿における配信ターゲット・広告枠・入札金額・クリエイティブの最適化を計ります。
DSPを解説する上で、必ず耳にする用語の中に、SSP(Supply-Side Platform)がありますが、SSPはDSPとは逆で、Webメディアの広告枠販売・広告配信における収益化を最大化するプラットフォームです。
▼SSPについては下記のブログで解説しております。
【SSPとは?】仕組みやDSP・アドネットワークとの違いを解説します!
DSPはSSPと接続することで、初めて広告配信が可能になり、接続するSSPが多ければ多い程、広告配信時における広告枠を多く保有していることになります。
1.2 DSPが誕生した背景
DSPは2011年頃から出てきた広告配信プラットフォームですが、それ以前は「純広告」が主流で、各Webメディアごとに掲載期間・金額を固定して広告枠が販売されていました。
この場合、メディア主導で単価設定や掲載までのスケジュールが決まっていることも多く、広告主サイドでは広告出稿するチャンスを逃すこともあり、Webメディアは自社広告を配信することも多くありました。
このような課題を解決すべく、2009年頃から「アドネットワーク」が普及していきました。
アドネットワークは、複数のWebメディアの広告枠を束ねた広告配信ネットワークで、アドネットワークを通してクリエイティブ・配信期間・広告枠を柔軟に設定することを可能にしました。
これによって、広告主は大幅に広告配信をする機会が増え、広告配信における工数も削減されたものの、一方で評価が悪いWebメディアへの掲載や、自社のターゲットではないユーザーに広告配信をされるなど、意図しない広告配信が課題となっていました。
このような課題を解決するために、次に普及したのがDSPです。
DSPはアドネットワークと異なり、クリエイティブ・配信期間・配信先に加え「人=ターゲット」を絞り、年齢、性別、都道府県などを指定し、的確に自社のターゲットとしているユーザーへ広告配信することを可能にしました。
1.3 DSPの仕組み
では、なぜDSPは「人=ターゲット」を絞り広告配信が可能になるのでしょうか。
主にDSP企業は大きく2通りの方法で取得したデータから、ユーザーのデモグラフィック情報やユーザーの趣味趣向を捉えて、分析・広告配信に活用しています。
➀ Webサイトから取得するcookie情報を利用して、サイト閲覧データを横断し、ユーザーの趣味趣向を捉える
② メディアの会員情報やアンケートなどで得たデモグラフィック情報
ただし2022年4月に施行される改正個人情報保護法のもとでcookieの取扱いが厳重になり、またGoogleが発表しているWebブラウザ「Chrome」におけるサードパーティーCookieを、2023年半ばから後半までの3ヵ月で段階的に廃止する発表も出ているため、DSP企業はcookieに代わる代替手段を各社模索しています。
次にDSPの広告を表示する際の仕組みについて解説します。
図で表すと下記のようになります。
➀ ユーザーが広告枠のあるWebメディアを閲覧
② メディアはSSPにcookieで取得したユーザー情報を元に、広告を配信したいリクエストを送ります
③ SSPは各DSPにユーザー情報を送り、Webメディアに掲載したいか入札金額のオークションをリクエストします
④ DSPはターゲット条件とSSPからのユーザー情報を元に掲載希望の入札単価を提示しSSPに送ります
⑤ SSPが最高入札金額のDSPをWebメディアに伝えます
⑥ Webメディアは最高入札金額のDSPへ広告配信掲載リクエストを送ります
⑦ Webメディアに最高入札金額DSPの広告が表示されます
この➀〜⑦の一連の入札オークションをRTB(Real-Time-Bidding)といい、DSPはわずか0.1秒以内に、オークション処理を実行し、広告を表示します。
2.1 DSPの特徴
DSPの特徴は、大きく3点あります。
➀ 「人=ターゲット」を適切に絞るため、広告配信時に効率よく配信ができる
② DSPプレイヤーによって、特徴が異なるため目的にそって多種多様なDSPが活用できる
③ DMP(Data Management Platform)と連携することで、DSPプレイヤーや自社が保有するデータ以外にも広告配信に活かせる
以上のようにDSPの利点は非常に大きいですが、DSPにもメリット・デメリットがありますので、正しく認識し活用しましょう。
2.2 DSP広告を導入するメリット
DSPのメリットについて解説します。
➀ ニッチなターゲットでも細やかにセグメントし広告配信できるので、広告主のニーズに応えやすい
② 各DSPには費用帯効果を最大化するために、アルゴリズムが搭載されており運用工数が少ない
③ 入札オークションで適正価格の広告掲載が可能になるため、広告効果を最大化できる
2.3 DSP広告におけるデメリット
一方デメリットもありますので、注意してみていきましょう。
➀ ターゲットをセグメントしすぎると、配信ボリュームに欠ける
② アルゴリズムを搭載していても、CV(コンバージョン)件数が少ないと、最適化がしづらく、配信費用がコスト化してしまう
③ 広告配信先を開示されないこともあり、ブランド毀損、アドフラウドにつながる懸念がある
以上のようにデメリットも存在しますが、多くの場合解決が可能です。
CV(コンバージョン)件数が少なく最適化しづらい場合は、本来のコンバージョンの一つ前にマイクロコンバージョンを設けて、アルゴリズムの最適化を促進することも可能です。
例1、資料ダウンロードが本来のコンバージョンの場合は、フォームがマイクロコンバージョン
例2、購入が本来のコンバージョンの場合は、カートやフォームがマイクロコンバージョン
またブランド毀損やアドフラウドについては、DSP各社が対策を講じています。
安全に広告取引が行われるよう、2020年12月には「JICDAQ」というデジタル広告の品質を第三者認証する機構も設立され、JICDAQに認証されているDSPであれば安全に広告取引を行うことが可能になります。
では実際にDSPを活用した広告出稿時に、抑えておいたほうがいいポイントを6つご紹介します。
3.1 配信目的・目標
DSPに限った話ではありませんが、広告出稿は会社のコストを活用し掲載するため、多くの場合売上、利益を上げるための手段として広告掲載を行います。
そのため、配信目的をしっかりと決め、目標数値を決めておきましょう。
配信目的と目標がしっかり決まっていないと、広告出稿が終ったあとに、この出稿が良かったのか、悪かったのか振り返ることもできません。
また広告代理店を通して広告配信を依頼する場合は、必ず配信目的、目標数値を共有し認識の齟齬が起きないようにすることで、広告効果の最大化を計りましょう。
Web広告配信時の目的は大きく下記の4点に分けられますが、あくまでも中間のKPIにしかなり得ません。
➀ 資料請求やお申込み、購入などコンバージョンの最大化
② ブランディング・認知拡大
③ Webサイトの流入数UP
④ アプリインストール・休眠復帰
自社におかれているマーケティングの課題をしっかり洗い出し、課題に応じた解決策を選択し、最終的なKGIが達成できるよう適切に目的・目標を設計することが一番重要です。
3.2 ターゲット
広告配信目的・目標が決まれば、自ずとターゲットは定まってくるでしょう。
まずはそのターゲットに対し、セグメントが可能か否か、各DSP企業にお問い合わせすることをおすすめします。
DSP企業によっては、多様なデータを確保し痒い所に手が届くようなセグメントを構築できる企業もあります。
自社のターゲットをできるだけ細かく共有し、目星をつけたDSP企業に見積もりを依頼しましょう。
3.3 課金形態・最低出稿料金
ほとんどのDSP企業は、広告が1,000回表示されるごとに費用が発生する、CPMという課金形式を採用しています。
そのほかに、CPC課金やCPI課金などに対応しているDSP企業もあるので、目的に応じて選択すると良いでしょう。
3.4 配信在庫・配信ボリューム
DSPの配信在庫は接続しているSSPに依存し、配信ボリュームは在庫×入札単価×ターゲット母数で決まります。
自社でDSPもSSPも運営しているプラットフォームであれば、配信メディアのリクルーティングに注力しているので、比較的安価に配信できることが利点です。
もちろんターゲットを選定することも重要ですが、セグメントしすぎてターゲット母数が少なくなってしまうと、一人辺りの入札単価も高くなる傾向があります。
その結果、配信ボリュームが出せないことで、アルゴリズムの最適化が計りづらくなるので注意しましょう。
3.5 配信先
SSPを通して、多様な配信先に配信できることでボリュームは確保できるものの、自社の配信訴求とはそぐわない配信面や、まとめ系の記事、ヘイト系の記事に広告が出てしまう懸念もあります。
まずはホワイトリスト(配信ドメインを指定)、ブラックリスト(特定ドメイン除外)が可能か否か確認しておきましょう。
また上述したJICDAQの第三者検証を経て、JICDAQ認証を受けているDSPの場合、DSPの配信先への対策について外部機関からの評価を受けているという前提で、ブランド毀損等のリスクを極力抑えた広告配信が可能になります。
3.6 運用サポート
DSP企業によりますが、広告運用のサポートがある企業や運用自体を巻き取ってくれる企業も多く、運用担当者の工数削減にも繋がりますので、広告出稿時は出稿を決める段階で、自社で運用するのか、広告代理店が運用するのか、DSP企業に任せるのか、確認した上で明確化しておきましょう。
ここまではDSPの仕組み・メリット・デメリット、出稿時におけるポイントを解説しました。
次に国内主要のDSP運営企業について解説します。
DSPは運営企業によって様々な特徴があり、機能・サービス内容・単価感が異なってくるため、特徴を捉え自社に適したサービスを選択しましょう。
4.1 UNIVERSE Ads|株式会社マイクロアド
ー概要ー
株式会社マイクロアドが運営するUNIVERSE Ads(ユニバースアズ)は、自社SSP「COMPASS(コンパス)」を中心に、広告在庫数:2,000億/月を超える日本最大級の配信先を保有しており、静止画・動画・ネィティブフォーマットへの対応をしています。
200社以上のデータプロバイダーと接続する「UNIVERSE」と連携することで、多種多様な業界業種のマーケティングニーズに合わせたデータ分析および広告配信ができる最新DSPです。
最低出稿料金 |
リターゲティング:最低出稿料金なし サイコグラフィックターゲティング:10万円~ |
課金形態 |
CPM課金 |
特徴 |
提携する200以上のデータを元に様々な業種に特化したDMPを保持し、広告主の希望するターゲットに沿って自由度の高いターゲティング構築が可能 |
JICDAQ認証 |
JICDAQよりブランドセーフティにおいて第三者検証を受けています。 |
ー概要ー
同じくマイクロアドが運営しており、スマートフォンの位置情報を元に広告配信を可能にします。
位置情報広告の黎明期である2016年から販売を開始し、現在までに3500案件以上の実績を誇り、日本最大級の位置情報広告配信サービスです。
最低出稿料金 |
10万円~ |
---|---|
課金形態 |
CPM課金 |
特徴 |
月間2500万UD(ユニークデバイス)と豊富な在庫量を保持し、柔軟なセグメント作成から、多種多様な来店計測まで用意されています。 |
4.2 Red|株式会社フリークアウト
ー概要ー
フリークアウト社が運営するRedは最先端の独自機械学習エンジンを搭載し、全デバイス対応のマーケティングプラットフォームです。
国内最大級の月間 8,500 億インプレッションを超える RTB 経由の広告在庫を有し、
ビデオ、ネイティブ、ディスプレイの各種フォーマットにおいてフリークアウト独自のターゲティング技術を用いた広告配信が可能。
最低出稿料金 |
直接お問い合わせください |
課金形態 |
直接お問い合わせください |
特徴 |
DMPであるMOTHERやIntimate Mergerに接続し、多様なセグメント構築を可能にします。 |
JICDAQ認証 |
2022年2月時点では認証されていません。 |
※画像含む 引用元:株式会社フリークアウト
※2022年2月時点の情報です。
4.3 Logicad(ロジカド)|SMN株式会社
ー概要ー
SMN社が運営するロジカドは、大規模な配信ログ、オーディエンスデータを高速かつ安定的に処理することが可能なシステムインフラを備え、独自のアルゴリズムを用い、RTBも対応した自社開発の広告配信最適化プラットフォームです。
最低出稿料金 |
初期費用・ランニングコストなし |
課金形態 |
CPM課金 |
特徴 |
配信面・広告効果を可視化し高い透明性を担保、プロによる高い運用力で継続的に安定した効果を提供。 |
JICDAQ認証 |
ブランドセーフティ・無効トラフィック対策において自己宣言しています。 |
※画像含む 引用元:SMN株式会社
※2022年2月時点の情報です。
4.4 ADMATRIX DSP|株式会社クライド
ー概要ー
クライド社が運営する、ADMATRIX DSPは国内の企業IPアドレス、業種を指定したターゲティングができるBtoBマーケティングを得意とするDSPです。
最低出稿料金 |
直接お問い合わせください。 |
課金形態 |
CPM課金 |
特徴 |
オフィスターゲティングに強みを持ち、従来のバナー広告に加えて様々なクリエイティブフォーマットに対応しています。 |
JICDAQ認証 |
2022年2月時点では認証されていません。 |
※画像含む 引用元:株式会社クライド
※2022年2月時点の情報です。
4.5 UNICORN|UNICORN株式会社
ー概要ー
UNICORN社が運営するUNICORNは、スマートフォン向けのゲーム・アプリ広告を得意としているDSPで、⽉間買い付け可能トラフィックは6,000億インプレッションを超し、KPI達成を最重視した効果的な広告配信を実現します。
最低出稿料金 |
直接お問い合わせください。 |
課金形態 |
CPM課金 |
特徴 |
ゲーム・アプリインストール領域に強みを持ち、ターゲットCPIに対する配信実績の誤差は±約20%程度。 |
JICDAQ認証 |
JICDAQより、ブランドセーフティ・無効トラフィック対策において第三者検証を受けています。 |
※画像含む 引用元:UNICORN株式会社
※2022年2月時点の情報です。
4.6 Criteo|Criteo株式会社
ー概要ー
Criteo社が運営するCriteoは、データフィードを活用したダイナミック広告に強みをもち、ユーザーごとにカスタマイズされた動画広告やディスプレイ広告配信を実現します。
CriteoのAIエンジンが買い物客のエンゲージメントのレベルを把握し、最適な商品をレコメンドすることで売上と収益の拡大を計ります。
最低出稿料金 |
直接お問い合わせください。 |
課金形態 |
直接お問い合わせください。 |
特徴 |
100カ国以上で展開しており、Criteo の機械学習テクノロジーがキャンペーンのパフォーマンスを継続的に改善します。 |
JICDAQ認証 |
JICDAQより、ブランドセーフティ・無効トラフィック対策において海外認証を受けています。 |
※画像含む 引用元:Criteo株式会社
※2022年2月時点の情報です。
4.7 Dynalyst|株式会社サイバーエージェント
ー概要ー
Dynalystはモバイル向けアプリリエンゲージメントに特化したDSPで、アプリインストール後に休眠してしまったユーザーへ効率的にコミュニケーションを図ることで、継続利用を促します。
最低出稿料金 |
直接お問い合わせください。 |
課金形態 |
直接お問い合わせください。 |
特徴 |
Dynalystは独自のアルゴリズムを開発し、ユーザーの離脱をアプリ内のユーザー行動から予測、ユーザーごとに適切な広告表現をリアルタイムに配信することで売上最大化を計ります。 |
JICDAQ認証 |
2022年2月時点では認証されていません。 |
※画像含む 引用元:株式会社サイバーエージェント
※2022年2月時点の情報です。
今回はDSPの仕組み・メリット・デメリット、出稿時におけるポイント、主要DSP企業について解説しました。
一口にDSPといっても、様々なDSPが存在しますので、課題・目的・目標に応じて、活用するDSPを選定しましょう。
また、今後より一層関心が高まる個人情報の取扱いにも注意しながら、ブランド毀損やアドフラウド対策を講じているDSP企業を選定することも重要です。
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