エリアマーケティングとは?目的やPDCAの回し方・商圏分析の手法を解説!
木田 星矢
2015年マイクロアド入社、位置情報広告の黎明期から事業開発を担当。2021年12月時点で3500案件以上の実績を誇るマイクロアドの位置情報広告の責任者。
こんにちは、Ads University編集部の木田です。
エリアマーケティングとは何か、エリアマーケティングのPDCAのまわし方について解説しているブログです。
▼こんな方におすすめです
・これからエリアマーケティングを始めようとしている方
・エリアマーケティングのPDCAのまわし方を知りたい方
・地方の広告代理店の方
目次を表示
-
1.1 エリアマーケティングの概要
1.2 エリアマーケティングの目的
1.3 統計データで明らかになるもの/ならないもの
1.4 地域特性を知る
- エリアマーケティングの商圏分析
2.1 商圏エリアの店舗別来店数を可視化
2.2 来店回数推移を分析
2.3 併用分析推移
2.4 新規/リピーター分析
2.5 来店頻度分析
2.6 滞在時間分析
2.7 人流分析ヒートマップ -
3.1 効率的にエリアを絞り広告配信をする-Plan-
3.2 商圏範囲を囲い込んだ広告媒体選定-Do-
3.3 来訪ユーザーの居住・勤務地エリアを確認する-CHECK-
3.4 商圏エリアを見極める-Action-
- まとめ
1.エリアマーケティングとは?
1.1 エリアマーケティングの概要
エリアマーケティングとは、地域特性に基づいたマーケティング手法です。
全国展開を行うメーカーやネット通販事業者より、
特定エリアに出店をしている不動産や自動車ディーラーなどに活用されています。
具体的には、下記のようなデータを活用します。
・国勢調査の統計データ
・国土交通省の駅別乗降客数
・通信キャリアや国土交通省の人流データ
上記のデータを活用することで、出店したいエリアなど全体的な傾向をつかめます。
1.2 エリアマーケティングの目的
商圏人口を把握し、囲い込むことが目的となります。
商圏外のユーザーから来訪するユーザーモチベーションを作ることができれば、囲い込むことを考える必要はないですが、一般的には多くの店舗が自社商圏の中から誘導させる必要があります。
そのためには、
①自社商圏を把握
②誘導する商圏人口を把握
商圏人口を囲い込む上で分母となるマーケットを把握することが必要になります。
1.3 統計データで明らかになるもの/ならないもの
国土交通省などの統計データは、駅や人流などの傾向を把握する点には適していますが、自社の店舗を分析する上で解像度はまだ荒い結果となります。
特定の駅や特定地点の人口や人流を把握した上で、該当のエリアで自社店舗の認知度を向上させることが、エリアマーケティングの戦略においては非常に重要です。
そのため、統計データだけでは、自社店舗を出店するべきかを判断できる情報としては不十分です。
※参考データ
1.4 地域特性を知る
統計データを活用し富裕層が多いエリア、人口が増加しているエリア、高齢者が多いエリアなどの地域特性を把握することが可能です。
ただし、商圏エリアのライフスタイルなどは把握することができません。
具体的な例でいうと、朝6時に駅に人流が集中する、スーパーマーケットの利用時間が都心部と比べて1時間遅い、駅の南口に人口が集中し、北口はほぼ利用されていないなどは把握することができません。
自社店舗の営業時間に人流が少ないと出店後に気付く、というようなことを避けるために、地域特性は、生活導線、公共施設、移動手段、時間帯別の人流などを加味して戦略を構築していく必要があります。
商圏分析は、統計的なデータを活用することに加え、出店する商圏エリアにおいて、競合店舗の来店状況を可視化し、来店した人の生活圏を明らかにすることができます。
では、どのように商圏分析をすべきでしょうか?
次に弊社で分析可能な商圏分析手法について解説します。
2.1 商圏エリアの店舗別来店数を可視化
商圏エリア内の店舗に来店したユーザーを対象に、来店回数および来店人数を可視化します。
今回は大阪の百貨店を例に分析していますが、商圏の中での各店舗の影響度を確認することができます。
2.2 来店回数推移を分析
ベンチマークしている競合店舗と自社店舗の来訪者の推移となります。
店舗別の来店数を日別/曜日別に分析することで特定店舗だけ来店数が増減しているのか、それとも全体的に来店数が増減しているのかを分析することが可能です。
2.3 併用分析推移
自社の店舗来訪者のうち、自店のみ利用しているユーザーと競合店舗を併用しているユーザーの人数と割合を可視化します。
競合店舗を併用しているユーザーの併用先内訳も可視化することで、どこの店舗を多く利用しているのかを把握できます。
競合店舗の中でも、どの店舗をベンチマークすべきかが明らかになります。
2.4 新規/リピーター分析
来店したユーザーの新規およびリピーターの割合を可視化します。
半年以内の来店有無を把握し、半年以内に来訪したユーザーをリピーターと定義します。
都心部など、人流が多いエリアについては新規ユーザーの割合が多い傾向になります。
2.5 来店頻度分析
指定期間内におけるお客様の来店頻度の割合を可視化することが可能です。
リピーターがどの頻度で来訪しているかを確認するのに有効的です。
2.6 滞在時間分析
滞在時間別の来店回数を新規・リピーター別に可視化します。
滞在時間が長くなることで商品の閲覧時間や商談時間を長くすることができるため、商品の理解促進がすすみ、購入率の向上に貢献できます。
また、新規とリピーターごとに分析することも可能です。
2.7 人流分析 ヒートマップ
地図上に人の流れを可視化することで、人流分析をすることができます。
こちらの画像は2022/1/1 0時〜1時の道路の混雑状況を表しておりますが、この日時では都心部の西側の道路が混雑していることが確認できます。
特定の時間を切り取った分析では、時間ごとの人流を把握できないため、自社の店舗の営業時間にあわせて分析を行う必要があります。弊社の分析では、時間毎に分析を行う事が可能です。
統計データの分析や商圏分析を行うことでターゲット層を明確化します。
宣伝したユーザーと来訪しているユーザーの生活圏の違いを明らかにし、効率化を図ることが重要です。
3.1 効率的にエリアを絞り広告配信をする-Plan-
エリアマーケティングに重要なのは、エリアを絞り効率的に広告配信を行うことです。商圏が明確化されるまでは、商圏範囲を広げることは有効ですが、より絞り込みをし効率化を測ることができます。
① 来訪可能な商圏範囲
② 商圏範囲の移動手段
これらを想定して仮説検証を行います。
広告手法は、ジオターゲティング広告やチラシの配布などが低予算で実施できますが、ジオターゲティング広告の方が分析時においては有効的です。
▼ジオターゲティングついては下記のブログで解説しております。
ジオターゲティングとは?位置情報を活用して広告効果を高める方法や事例を解説!
3.2 商圏範囲を囲い込んだ広告媒体選定-Do-
次に計画を立てた商圏範囲に対して広告配信を行います。
この際に、計画で立てた商圏範囲に広告出稿ができる媒体を選定する必要があります。
SNSなどの媒体を活用してターゲティングを行うことも可能ですが、数kmの半径指定など商圏エリアを超えたターゲティングになるケースもあるため、効率的に広告配信ができるエリアを選定し媒体を選定する必要があります。
3.3 来訪ユーザーの居住・勤務地エリアを確認する-CHECK-
来訪ユーザーの居住地や勤務地を分析することで、Planで想定した商圏エリアとの乖離を確認できます。ただし店舗形態により、お客様の居住者情報や勤務地の情報は取得することが困難な場合が多いです。
ここでジオターゲティング広告を活用することで、来店者の居住地・勤務地情報を把握することが可能になります。
※注意点:来訪者すべてのユーザーの居住地・勤務地情報を取得できるのではなく、位置情報の取得許諾がとれているユーザーのみとなります。
3.4 商圏エリアを見極める-Action-
想定していた来店者と実際に来店したユーザーを比較し、商圏エリアを明らかにしましょう。また、想定していた来店エリアから、店舗に来ないエリアも明らかになります。
商圏エリアを広げたり来店率を引き上げる施策としては、魅力的なインセンティブを配る事が来店数を引き上げるには有効的ですが、本質的には自社商品の訴求の仕方に問題がないかを確認していく点が必要となります。
エリアマーケティングに必要なのは、客観的なデータを活用していくことが不可欠になります。
限られた予算の中で集中的に広告予算を投下するエリアを見極めて効率化することが重要になります。
実際に商圏エリアを歩いて土地勘を認識することも重要ですが、データを用いて、新しい視点からエリアで展開するビジネスを想像することができます。
是非、エリアマーケティングを実践してみてはいかがでしょうか。
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