ジオターゲティングとは?仕組みや事例・メリットデメリットをやさしく解説!
松谷 有紗
2021年、マイクロアドに新卒入社。入社当初よりマーケティング活動に従事しており、リード獲得数の伸長に貢献。広告運用やイベント企画、サイト制作・運用やブログ執筆など、マーケティング全般に携わる。
こんにちは!Ads University編集部の松谷です。
近年の実店舗のマーケティング施策においては、ジオターゲティングは外せない施策となっています。
本ブログでは、ジオターゲティングの仕組みや活用事例を紹介し、メリット・デメリットをわかりやすく解説します。
まず、ジオターゲティングとはどんなターゲティング手法で、どんなことが実現できるのかを詳細に説明します。
1.1 ジオターゲティングとは?
ジオターゲティングとは、パソコンやスマートフォンから取得できる位置情報の行動履歴をもとに生活圏や属性を推定する、広告配信時におけるターゲティング手法の一つです。
ジオターゲティングは位置情報ターゲティングと同義です。
ジオターゲティングで取得する端末情報は、AAID/IDFA(AndroidやAppleなどの端末に付与されている広告識別子)やクッキー(Googleから付与される識別子)情報です。
ジオターゲティングではユーザーのオフラインの行動履歴を得られるため、web行動では捉えることができない位置情報のオリジナルセグメントでターゲティングする事が可能になります。
顕在層はもちろんのこと潜在層へのアプローチも可能となる、インターネット広告のターゲティング方法です。
1.2 ジオターゲティングでできること
では実際にジオターゲティングを活用してどのようなことができるのでしょうか。ここでは主に3つご紹介します。
① エリアごとのターゲティング・広告配信
ジオターゲティングは位置情報を基にターゲティングを行うため、都道府県や市区町村、住所単位でのターゲティングが可能になります。
そのため特定のエリア内で、サービスや商材の興味関心層へ向けて、認知や店舗来店促進を目的とした広告配信が可能となり、広告の費用対効果を高めることが期待できます。
例えば、位置情報を活用し、「過去1か月以内に◯◯県に行った人」や「過去3か月以内に特定のスーパーに5回以上行った人」「タワーマンションに住んでいる富裕層」などユーザーの行動履歴を元に特定の条件を付けてターゲティングすることが可能です。
▼位置情報を活用したターゲティング例
② 広告に接触したユーザーの店舗来店の寄与度を可視化
ジオターゲティングは位置情報を取得しているため、広告配信ユーザーの選定以外にも、広告に接触した人が、実際に店舗来店をしたか否かの寄与度を可視化することが可能です。
ジオターゲティング出稿の際によく活用される指標として、CPC(広告クリック単価)などがあります。しかし、この他にも広告をクリックしたユーザーの店舗来店数がどれくらいあったかや、広告はクリックせずとも広告に接触したユーザーが店舗来店したか否かなども計測可能になります。
ただし、人通りが多い所や、大型商業施設、ビルなどのような店舗が複数入居している場合は計測が難しい場合もあります。
③ 地域密着型のデジタル広告
不動産や学習塾、店舗来店の訴求など、地域が限定される訴求は広告メニューとして提案できるサービスが限られます。
ジオターゲティング広告では、「店舗から半径○○km圏内のユーザーに広告配信」など、柔軟にエリアを設計できるため、地域密着型の広告にも親和性が高いです。
1.3 位置情報の取得方法
ジオターゲティングでの位置情報の取得方法は、大きく分けて基地局・GPS・Wi-Fi・Beacon(Bluetooth)の4つがあります。以下でそれぞれの取得方法について説明します。
■基地局
基地局はプライベートIPアドレスを取得できます。基地局でカバーできる人口は99%以上と多く、データ量が確保できます。ただし、基地局を中継するため精度が下がります。
■GPS
位置情報を取得する方法として、現在主流なのがこのGPSです。
GPSではアプリからIDFA、AAIDを取得できるためデータ量が確保できるのが特徴です。
GPSでのデータ取得イメージとしては、平面の地図上にピンを刺し、そこで検知されたユーザー情報を蓄積します。
■Wi-Fi
Wi-FiはMAC(Media Access Control)アドレスが取得可能です。
取得したアドレスがフリーWi-Fiに接続された時などに、プッシュ通知として広告が表示されます。
Wi-Fiの最大の特徴は、店舗単位での検知が可能になることです。そのため複数店舗が入っている商業施設内でも、店舗にWi-Fiを設置さえすれば、店舗ごとの検知・計測ができます。
■Beacon(Bluetooth)
Beaconとは近距離無線技術(Bluetooth Low Energy)という新しい位置特定技術を使用したデバイスのことを言います。Beaconは、電源を入れた瞬間にBluetooth信号を発信し、半径数10cm単位から検知可能となります。
そのため、1Beaconあたりのデータ量は少ないですが精度の高い位置情報が取得可能です。Beaconの技術によって、今までは不可能だった店舗内で商品ごとの棚前計測が可能になりました。
ジオターゲティングは、他のインターネット広告のターゲティング方法と何が違うのか、メリットとデメリットに分け説明します。
2.1 メリット
ジオターゲティングの最大のメリットは、ユーザーのオフラインの行動履歴を追えることです。
そのためオンラインのweb行動履歴ではできなかった、エリアごとのターゲティングや来店効果を可視化できます。
また、ジオターゲティングの粒度・精度が上がるにつれて、商品や店舗内のエリアでのターゲティングも可能となります。
2.2 デメリット
ジオターゲティングはサービスや商品の認知・来店促進訴求が目的の場合に、大きな効果を発揮します。
その反対に、直接商品購入につなげたい場合などは位置情報ターゲティングでは効果を発揮しきれない時もあります。また、ユーザーのオフラインでの行動履歴のため、地域によってはデータ量が少なく、配信ボリュームを確保できない場合があります。
ここでは、位置情報を活用した広告ターゲティングにおいて、実際どのような事例があるのかを3つご紹介します。
3.1 大学・専門学校
目的:オープンキャンパスの集客
課題:学生のみに広告を配信したい、高校生に的確にアプローチしたい
ターゲット:首都圏の高校に在学している学生
首都圏の高校に在学している学生がターゲットのため、GPSを利用し、首都圏にある高校を抽出し、そこで週5日以上検知されたユーザーを「その高校に通っている学生」と定義し、そのターゲットに向けて広告を配信するという取組み実績があります。
オンライン情報のみでは、「高校生であるかも」は知ることができますが、「高校生である確率が高い」と断定することは難しいです。
位置情報を使用することで、高校で週5日以上検知されているからその人は「高校生である確率が高い」と裏付けができ、効果的な広告配信が可能になりました。
3.2 美容クリニック
目的:自社店舗認知、集客
課題:効率的に自社店舗来訪者にアプローチしたい
ターゲット:競合店舗来訪者
GPSを利用して競合店舗を抽出し、そこで検知されるユーザーに広告を配信しました。
美容クリニックのような店舗は自社商圏エリアが限定的になるため、効率的に広告運用する必要があります。
限定的なエリアの認知拡大の場合、従来ではチラシ配りなど効果を可視化することができないメニューが多いことが課題としてありました。
ジオターゲティングの場合、限定エリアでも効果的に広告配信をすることができ、費用対効果を計ることができます。
3.3 大手通信会社
目的:期間限定キャンペーンの認知拡大、集客
課題:効率的に自社店舗来訪者にアプローチしたい
ターゲット:店舗がある商業施設内来訪者
店舗がショッピングセンター内に入っていることもあり、Wi-Fiを使用して「店舗の前を通ったかつWi-Fiが検知された」ユーザーにプッシュ通知として広告を配信しました。
Wi-Fi利用の場合、地図上だとまとめられてしまうショッピングセンター内で店舗ごとのターゲティングが可能になるため、複数店舗が入居しているような場面で有効です。
ジオターゲティングは、ユーザーのオフラインでの行動履歴を取得できるのが最大の特徴です。オフラインでの行動履歴を把握できたことで、限定的なエリアでの配信も効果的に行え、「実際に来店につながったか」まで把握することが可能です。
スマートフォンが普及したことによってたくさんのユーザーの位置情報を取得できるようになりました。取得できた情報をどれだけインターネット広告に役立てられるかが、効果的な広告配信のカギになるかもしれません。
マイクロアドの「UNIVERSE GEO(ユニバース ジオ)」は、GPSを中心に精度の高い位置情報が取得可能な広告配信メニューです。
位置情報広告の黎明期である2016年から販売を開始し、現在3500案件以上の実績を誇っています。
「UNIVERSE GEO」の在庫量は月間2500万UD(ユニークデバイス)を誇り、様々なセグメントで配信することができます。
また、広告配信後にどれほど広告接触者が来店したかという来店効果を可視化することが可能です。
マイクロアドの位置情報事業に興味をお持ちいただいた方は、お気軽に資料請求またはお問い合わせください!
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