アプリリターゲティングとは?仕組みや必要性、メリットを解説!

こんにちは、Jampp University編集部の三谷です。

 

サードパーティCookieのサポート停止に伴い、近年さらに注目が高まっているのが、アプリリターゲティングです。

 

アプリでは引き続き行動データが取得できるため、世界的にリターゲティングを実施するアプリの割合が増加傾向にあります。一方、日本では海外ほど実施率がまだ高くないのが現状です。

 

この記事では今後日本において、より注目されるであろうアプリリターゲティングの仕組みと、その必要性について解説していきます。

 

また、次回の記事では海外におけるアプリリターゲティングの実施事例についても公開します。

 

※このブログは、提携企業である【Jampp】のブログを翻訳したものです。

参考記事: App Retargeting: how it works and why you need it to drive engagement

 

 

目次を表示

  1. アプリリターゲティングはなぜ伸びているのか?

  2. アプリリターゲティングのメリットとは?
    2.1 競争優位性
    2.2 アプリの普及と定着率の向上
    2.3 収益増加

  3. アプリリターゲティングは、どんな業種でも価値があるのか?

  4. リターゲティングは、各アプリカテゴリーにどのように適応できるのか?
    4.1 ECの場合
    4.2 フードデリバリーの場合
    4.3 タクシー配車の場合
    4.4 フィンテックの場合

  5. アプリリターゲティングの仕組みを詳しく解説

  6. 顧客とのリエンゲージメントに役立つ5つのベストプラクティス
    6.1 パーソナライズされた広告を掲載し、頻繁にアップデートする
    6.2 季節に合わせたイベントを開催
    6.3 従来のセグメントをやめ、予測オーディエンスを活用する
    6.4 ディープリンク
    6.5 リフト値の測定

  7. まとめ

 

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 1. アプリリターゲティングはなぜ伸びているのか?

 

 

かつてユーザー獲得とアプリリターゲティングは独立していて、段階を踏んで実施するものとして考えられていました。ですが、ますます多くの広告主が、両戦略を組み合わせることの価値を見出すようになっています。

 

グローバルではすべての業種のアプリマーケターの65%が、リターゲティングに以前と比較して、より多く投資しています。

 

アプリのリターゲティングはコンバージョンの4件に1件を占めており、ユーザーのライフサイクルの早い段階でエンゲージメント施策を導入するマーケティング担当者は、正しい道を歩んでいると言えるでしょう。

(参照: “Ready for the Retargeting Opportunity?,” Appsflyer, 2019.)

 

リターゲティング実施アプリの世界シェア(2017年~2019年)

 

※画像引用元:App Retargeting: how it works and why you need it to drive engagement

 

たった1回の使用で削除されるアプリは20%に過ぎませんが、ほとんどのアプリでは、最初のアプリ内イベントの後に使用率が低下します。

 

Adjustのデータによると、新規顧客の79%が最初の7日以内に離脱し、39%のユーザーが最初の1週間も持たずに、インストール後1日目でアプリを放棄しています。

 

このシナリオから、アプリリターゲティングがいかに重要な役割を果たすかは一目瞭然です。

 

(参照: “What is App Retargeting?”, Localytics/“Adjust Global App Trends 2019,” Adjust, 2019.)

 

ジャンル別アプリインストール後7日目のリテンション率

 

※画像引用元:App Retargeting: how it works and why you need it to drive engagement

 

上のグラフが示すように、特にタクシー配車、ショッピング、旅行、フードデリバリーなどのアプリでは、エンターテインメント系アプリに比べて定着率が低く、アプリリターゲティングは低リテンション率との戦いで強力な味方になってくれます。

 

 

 2. アプリリターゲティングのメリットとは?

 

 

アプリリターゲティングは、モバイルマーケティング担当者に、既存顧客を再活性化し、ユーザーをアプリに引き戻すことで利用率を高め、キャンペーンのROIを最大化する機会を提供します。

 


2.1 競争優位性



アプリクライアントのブランディングの取り組みが、必ずしも成功につながるわけではない、ということです。

これは、タクシー配車やフードデリバリーのような業種に特に当てはまります。

 

ユーザーは競合他社のアプリと比較しながら、最もお得な情報を探します。このような場合、アプリリターゲティングは、アプリを第一想起してもらうことに加えて、競争優位性を維持するためにも、重要な役割を果たします。

 


2.2 アプリの普及と定着率の向上



アプリリターゲティングは一般的に、休眠ユーザーを復帰させるための戦略であるという、誤解をもたれています。

 

しかし、リターゲティングが正しく行われれば、ユーザーサイクル全体にわたってアプリの利用を促進し、ユーザーをコンバージョンファネルに導き、リピーターを増やすことに役立ちます。

 


2.3 収益増加



インストール配信が “新規ユーザーを探す” ことに対し、アプリリターゲティングは、すでに“知っている”ユーザーに焦点を当てます。

 

マーケティング担当者は、過去のアプリ内行動のデータを活用し、特定の広告を見た後にコンバージョンする可能性が高いユーザーを予測できます。

 

ユーザーベース・リターゲティングでは、このデータを利用して、ユーザーごとにクリエイティブと入札戦略を調整し、収益を最大化することができます。

 

アプリリターゲティングで収益増加

※画像引用元:App Retargeting: how it works and why you need it to drive engagement

 

 

 3. アプリリターゲティングは、どんな業種でも価値があるのか?



結論からいうと 価値 があります。

 

リターゲティングを使用したアプリは、2018年第1四半期と2019年第1四半期において、すべての業種で63%(リターゲティング戦略を使用しなかったアプリよりも50%)収益を増加させています。

(参照: “Ready for the Retargeting Opportunity?,” Appsflyer, 2019.)

 

それでは、どのような業界がリテンション戦略を導入しているのか、詳しく見ていきましょう。

 

カテゴリー別リターゲティング実施アプリのシェア

※画像引用元:App Retargeting: how it works and why you need it to drive engagement

 

上記のグラフを見ると、リターゲティングをマーケティング施策に加えるアプリが明らかに増えています。

 

現在、この種の戦略への投資が少ないアプリでさえ、大きな成果を上げています。グローバルではゲーム顧客においては、リターゲティングの導入が遅れていますが、リターゲティングされたユーザーからの平均収益は、リターゲティングされていないユーザーからの収益よりも大幅に高くなっています(下のグラフの通り)。

 

一方で、日本においてはゲーム顧客は早くからリターゲティングに取り組んでいる印象です。グローバルにおけるアプリリターゲティングの導入は、今後も増加すると考えてよいでしょう。

 

カテゴリー別課金ユーザー1人当たりの平均収益のリフト値

※画像引用元:App Retargeting: how it works and why you need it to drive engagement

 

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 4. リターゲティングは、各アプリカテゴリーにどのように適応できるのか?



 

4.1 ECの場合



ECのエンゲージメント戦略の効果は、デスクトップの時代からよく知られているため、リターゲティングの最たる例かもしれません。

 

これらのアプリは詳細な商品フィードを持つ傾向があり、ダイナミックプロダクト広告などの機能を活用して、ユーザーのウィッシュリストや以前の検索に基づいて購入を促すことが非常に簡単にできます。

 

さらに、これらのアプリは、母の日やクリスマスなどの人気のショッピングシーズンに、お買い物かごを活性化させることができます。


次回の記事にて、ECとアプリのリターゲティングについて詳しく解説します。

 


4.2 フードデリバリーの場合



ユーザーは複数のフードデリバリーアプリを利用することで知られていますが、一番のお気に入りのアプリは1つだけなのです。

ユーザーのお気に入りになるには、割引やプロモーションだけでは不十分です。

 

リターゲティングは、ブランドがユーザーに、アプリが日常のニーズにどのように役立つかを思い出させる機会を提供します。

 

ブランドは、ユーザーがアプリを好きな理由を思い出させるために、ユーザーが注文したものと同じような選択肢をおすすめしたり、新しい提携先を強調する広告を表示したりすることができます。

 

アプリでより頻繁に注文をしてもらうことで、新しいお買い物習慣が生まれ、ユーザーはこれまで以上に利用し、消費するようになります。


フードデリバリーアプリは、特別な日やイベントを活用して、暑い日にはアイスクリームを買うようにユーザーを誘惑したり、ホームパーティーに最高なピザの選択肢を提供するなど、関連性の高い食べ物を後押しすることで、即時にコンバージョンを促進することができます。

 


4.3 タクシー配車の場合



この分野もまた、ユーザーの習慣を把握することで大きな変化をもたらすことができる例です。

 

マーケティング担当者は、超ローカルなイベント、日付、さらにはタクシー配車の需要が高まる時間帯を考慮することで、エンゲージメントを高めることができます。

 

音楽フェスティバルへの安全な乗り物を予約できるようにしたり、雨の日の通勤ピーク時に呼びかけたりすることで、ユーザーとのインタラクションを高めることができます。

 


4.4 フィンテックの場合



フィンテックアプリは常に新しい機能を取り入れて進化しているため、アプリリターゲティングは、ユーザーに各機能を試し、慣れてもらうのに最適な方法です。

 

アプリの幅広いサービスやアップデートを知らせる広告を作成することは、ユーザーをリピーターにするための素晴らしい方法です。

 

 

 5. アプリリターゲティングの仕組みを詳しく解説



アプリリターゲティングの仕組みは、カスタムアルゴリズムによる入札で、アクティブな顧客ベースを作り、コンバージョンを増加させます。

アプリリターゲティングの仕組みを詳しく解説

※画像引用元:App Retargeting: how it works and why you need it to drive engagement

 

ここからは「Jampp」を例に、アルゴリズムについて解説させていただきます。

 

「Jampp」のプラットフォームは、デバイスモデル、プレースメント、ロケーション(アドエクスチェンジから収集したコンテキストデータ)、イベントや過去の購入履歴(アプリからの行動データ)間の時間差など、何百もの関連変数を効率的に比較します。

 

これらのインサイトをもとに、ユーザーごとの入札額や、アプリ内の行動を誘発するためのクリエイティブが自動的に計算されます。選択されたクリエイティブは、最も関連性の高いアプリ内画面にディープリンクされ、特定の購入、予約、再注文に至るまでのカスタマージャーニーを確実に実現します。

 

 

 6. 顧客とのリエンゲージメントに役立つ5つのベストプラクティス

 


すべては、正しいメッセージと正しいユーザーを、正しいタイミングでマッチングさせることにかかっています。

 


6.1 パーソナライズされた広告を掲載し、頻繁にアップデートする



マーケティング担当者が、最も関連性の高い広告でユーザーを確実にターゲティングするために使用できるさまざまなクリエイティブ機能があります。

 

豊富な商品フィードを持つアプリは、ダイナミックプロダクト広告(DPA)を簡単に活用することができます。この機能により、アプリのユーザーをターゲティングし、エンゲージすることができます。

 

・検索したが購入していない商品
・ウィッシュリストに追加された商品
・過去に購入した商品と補完関係にある商品

 

パーソナライズされた広告

※画像引用元:App Retargeting: how it works and why you need it to drive engagement

 

商品フィードが更新される限り、広告も更新されます。

また、「Jampp」にはダイナミック広告ビルダーがあり、ディスプレイ広告やモバイルファーストの様々な動画を自動作成することができます。

 

これらの広告の各クリエイティブアセットはデータポイントであり、様々なバリエーションを素早く、簡単に、そして高い洞察力でテストすることができます。多様なオーディエンスに最も響くのはどの要素かを知るのに理想的です。

 


6.2 季節に合わせたイベントを開催



関連性を確保するもう1つの方法は、ユーザーにとってすでに関心の高い特別な日を利用することです。

 

ブラックフライデーやサイバーマンデーがその代表例ですが、その他の特別な日でも大きな成果を上げています。

例えば、バレンタインはフードデリバリーのアプリにとって大きなイベントです。

季節に合わせたイベントを開催

※画像引用元:App Retargeting: how it works and why you need it to drive engagement

 


6.3 従来のセグメントをやめ、予測オーディエンスを活用する



「過去30日間に10ドルの買い物をした人」や「過去7日間に車を注文したニューヨーク在住者」など、2〜3つの特徴を持つユーザーをターゲットにすると、ある時間枠でリーチできるユーザーが大幅に減少します。

 

一方、予測オーディエンスは、各ユーザーの広告によるコンバージョン増加の確率を計算します。

 

つまり、このテクノロジーは、広告を出す潜在的なユーザーの母集団がはるかに大きく、より広大な海でスマートに細かい粒度での判断を下しながら、より大きなスケールを推進することができるのです。

 


6.4 ディープリンク



適切な広告を適切なユーザーに適切なタイミングでマッチングさせることは、簡単なことではありません。

 

そのため、マーケティング担当者は、コンバージョンの妨げになるものを防ぎたいと考えるでしょう。ディープリンクは、不要なステップを削除し、広告から購入までのユーザージャーニーを可能な限りシームレスにします。

 


6.5 リフト値の測定



最後に、キャンペーンの成功を測定し、リターゲティングが他の方法では発生しなかったコンバージョンを生み出していることを確認します。

 

「Jampp」の新機能である常時リフト測定は、A/Bテストのロジックを使用して、キャンペーンのパフォーマンスをコントロールグループ(ゴースト入札と合成インプレッションに基づく)と対比させます。

 

これにより、キャンペーンが効果的にマーケティング担当者の顧客ベースを再活性化させているかどうかを、科学的な精度で判断することができます。

 

 

 7. まとめ

 

「Jampp」のような適切なプログラマティックパートナーを選択することで、アプリマーケターはリターゲティングをさらに一歩進めることができるのです。また、ダイナミック広告や常時リフト測定についてもっと知りたい場合は、お気軽に弊社までお問い合わせください。

 

参考文献

・ “Ready for the Retargeting Opportunity?,” Appsflyer, 2019.

・ “What is App Retargeting?”, Localytics

・ “Adjust Global App Trends 2019,” Adjust, 2019.

 

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