こんにちは!Ads University編集部の松谷です。
今回は、アプリのインストール広告について徹底解説していきたいと思います。
2020年の世界中のモバイルアプリダウンロード数は、過去最高となる約2,180億件を記録しました。アプリストアでの消費支出額は約1,430億ドルにのぼり、モバイルマーケティング予算も世界的に伸びてきています。App Apeによると、日本人が月に利用するアプリ数は平均38個で、所持するアプリは平均103.4個という統計が出ています。
アプリのリリース数が年々増える中で、スマホアプリ事業者は継続的にアプリをインストールしてもらい、ユーザーに利用してもらう必要があります。
アプリ競争が激化する昨今で、アプリインストール広告の種類や基礎知識を理解し、効率よく広告配信に活かしていきましょう。
▼こんな方におすすめ
・アプリ広告運用者
・アプリマーケティングの基礎を知りたい方
・アプリ広告の費用対効果に悩んでいる方
・広告運用の適切なKPIを知りたい方
2.1 ターゲティング
2.2 クリエイティブ
2.3 配信面
2.4 目標KPI
2.5 入札金額
アプリインストール広告とは、アプリのインストール数を目的とした広告です。
広告をタップするとアプリストアに直接遷移する広告を指します。
広告が配信される面としては、タブレット端末のウェブサイトやアプリ媒体、検索エンジンなどがあります。
検索エンジンの場合は訴求するアプリに関連したキーワードを検索すると上位表示され、TwitterやInstagramの場合はタイムラインやストーリーズなどに掲載されます。
また、アプリ内での広告もよく利用される広告手法の一つです。
みなさんも無料ゲームやマンガを読んでいる際に、アプリのインストールを促す広告を見たことがあるのではないでしょうか。その際に表示される広告を指します。
自社のアプリインストール広告を配信したい!と一口に言っても、ターゲットを明確にして配信設計をたてなければ広告効果の最大化をすることは困難です。
ここでは、アプリインストール広告の運用に対する考え方を見ていきましょう。
■広告運用における要素5点
運用型広告を配信する際には、主に5つの要素が影響します。
・ターゲティング
・クリエイティブ
・広告の配信面
・目標KPI
・入札金額
広告は配信して終わりではありません。
広告を出稿したことによって、どのくらいユーザーに認知され、利用や購入されたかを把握することが重要になってきます。
ここでは1つずつ解説していきます。
2.1 ターゲティング
広告を配信する際は、ターゲットの選定が最も重要です。
誰にサービスを認知したいかで、広告の配信方法は全く異なってきます。
サービス・商品の典型的なユーザー像、いわゆるペルソナからぶれたターゲティングをすると、広告を配信しても消費者のニーズに沿うことができず思い描いたような効果が出ません。
アプリインストール広告も同様に、どんなユーザー層にアプリを利用してほしいか、ペルソナのインサイトを具体的に想定してターゲティングを設計することが、効果の良い広告配信に繋がります。
代表的なSNS広告であるFacebook広告などは、地域、性別、年齢、興味関心の詳細なターゲット設定や、アプリのイベント、自社が保有しているデータを活用した広告運用が可能です。
2.2 クリエイティブ
毎日のように見る広告をユーザーの目に留まらせるには、一目見て分かるクリエイティブ(広告の訴求内容・キャッチコピー)も肝心です。
クリエイティブは情緒的で感情的な反応をもたらします。視認性の高い写真や数字、ブランド名など複数の軸をもってクリエイティブを作成し、実際に配信しA/Bテストを繰り返し勝ちパターンのクリエイティブ軸を検証し効果改善をしていきましょう。
2.3 配信面
想定されるターゲットにアプリをインストールしてもらうためには、普段ターゲットユーザーがどんなサイトやアプリを利用しているかを把握する必要があります。
ターゲットと親和性が低い配信面に広告を配信しても、期待した反応を得ることが難しくなってしまいます。
ターゲットに合わせた広告媒体を選定し、配信先も把握することで、ユーザーと接点を持ちやすくなります。
2.4 目標KPI
広告運用をする際は、費用対効果を算出するためにKPIを決めることが前提です。
ではアプリインストールの代表的なKPIについて見ていきましょう。
■ CPI
CPIとは、「Cost Per Install」の略で、1インストール辺りにかかった広告費用を指します。アプリにおけるコンバージョンはインストールでみなされることが多く、Web広告でいうCPAと同義で捉えられることが多いです。
CPI=かかった広告費用÷獲得コンバージョン数
■ ROAS
ROASとは、「Return on Advertising Spend」の略で、広告費に対してどれだけ売上があったかを指します。
CPIがインストール数を基準とすることに対して、アプリを利用したことに対する売上を基準にした指標です。かかった広告費がどれだけ売上に直結したかを数値でみる指標がROASです。
ROASの計算式:アプリを利用したことによる売上高÷かかった広告費用×100(%)
CPIはインストールしたかどうかを追えることに対して、ROASはアプリを広告によってインストールしたユーザーが課金などのロイヤリティを高めて売上に繋がったかを表すことが可能です。
そのため、広告費の回収率と言われることもあります。
※ROASの詳細はこちら
2.5 入札金額
広告媒体によって、課金形態や入札の仕組みも全く異なっています。
一概にいえませんが自動で最適化する機能も搭載している広告媒体も多数あるため、まずは媒体担当者などに過去実績値や入札の仕組みを聞き理解した上で、広告媒体ごとに適した入札戦略を組んでいきましょう。
目標とするKPIによって、入札金額はもちろん異なってくるため、立てたKPIに対してこの入札金額は適正か、変化する日々の数値を定点観測をしていくことで、KPIを達成する糸口を掴んでいきましょう。
3.1 アプリインストール広告の課金形態と広告の種類
アプリインストール広告にどれくらい費用がかかるかは、一概には言えません。
しかし、広告媒体の課金形態や自社の目標とするKPIを把握することで、逆算しておおよその費用を想定することができます。下図では一例ですが課金形態をいくつかご紹介します。
次にアプリインストール広告の種類について、代表例をご紹介します。
・バナー広告
バナー広告とは、WEB上の広告枠に掲載される広告で、ディスプレイ広告の一部です。
・インフィード広告
インフィード広告とは、WEBサイトやモバイルサイトのタイムラインに、コンテンツと馴染む形で表示される広告です。
・全画面型広告
全画面型広告とは、アプリやサイトをスクロールした際に全画面に表示される広告です。
・オファーウォール型広告
オファーウォール型広告とは、アプリ内に設置したボタンやおすすめをタップすると「おすすめアプリ一覧」などが表示される広告です。
アプリ広告の媒体によって、課金方式や配信面、ターゲティング可能な種類が異なってきます。
そのため、目的に応じて無数にある広告媒体から、自社のKPIを達成するために様々な視点で、利用する広告や媒体を選ぶ必要があり、訴求するアプリと親和性の高い媒体を選定することも、一つポイントです。
3.2 モバイルマーケティングの市場規模
アプリ広告市場は現在急速に伸びており、株式会社グローバルインフォメーションによると、2020年の世界のモバイル広告費は1,358億米ドル(約15兆円)に到達しました。
モバイル広告費が伸びている原因はいくつかあります。
スマホ1つから提供されるサービスは多岐にわたり、ユーザーが自由に使える機能が増えたため、電話やメールだけでなくSNSやサブスク、宅配サービスなど、便利なサービスが増えてきたことが背景にあります。
ユーザーのスマホ上での行動が増えたため、広告主はターゲットとなるユーザーに色々なチャネルからアプローチすることが可能になりました。
また、ニールセンモバイルネットビューによると、スマートフォン利用時間のうちアプリとWebブラウザを比較すると、アプリが84%も占めているという結果が出ています。
このことから、アプリのインストール広告に利用される費用は今後も増加すると考えられます
今回はアプリインストール広告運用の考え方や種類について解説しました。
スマートフォンユーザーの増加に伴って、企業のモバイルマ-ケティング戦略におけるプロモーションの重要性は高まっています。広告を実際に運用して初めて効果が分かるため、まずは課題に合わせたPDCAをまわし、効果改善をしていきましょう。
▼メールマガジンの購読はこちら