こんにちは、Ads University編集部の松谷です。
デジタルマーケティングに携わる際、必ず耳にするDSP広告。
デジタル広告や運用型広告について何となくわかっているが、改めて「DSPって何?」と問われた際に、きちんと答えられない人が多いと思います。
本ブログではDSPについての基礎知識やDSPで出来ること、そして実際のDSP広告の種類について、ご説明します。
▼こんな方におすすめです
・デジタル広告担当をしているが、GND、YDN以外に活用できる媒体の種類を知りたい方
・これからDSPの広告出稿を検討している方
・Webマーケターになって間もない方
DSPとはDemand-Side Platformの略称で、広告を出稿する広告主向けの配信プラットフォームです。
広告の費用対効果を最大化し、広告出稿における配信ターゲット・広告枠・入札金額・クリエイティブの最適化を計ります。
広告配信における横断的な取引工程を自動化・一括管理でき、詳細なターゲティングができることが特徴です。
▼詳しくはこちら
【2022年最新】DSP広告とは?仕組み・メリデメ・選定ポイント~主要DSP運営企業7社をやさしく解説
広告の配信は、「RTB(Real-Time Bidding)」という入札方式で行われます。
その名の通り、1回の広告表示ごとに瞬時に入札が行われる仕組みです。
性別・年齢、検索・行動履歴などのデータから、広告入札を0.1秒以内で行っているのです。
それでは、実際に広告が掲載されるまでの流れを見ていきましょう。
① 媒体でのインプレッション発生が、SSP(サプライサイドプラットフォーム)に通知されます。
② 通知を受け取ったSSPは、ユーザー属性などの情報と共に、複数のDSPへ入札リクエストを送信します。
③ リクエストを受け取ったDSPでは、広告主の選定が始まり、条件に一致する広告主の間で、入札が行われます。
④ 入札で最高額を提示した広告主の情報が、DSPからSSPへ通知されます。
⑤ 各DSPから広告主の情報を受け取ったSSPは、その中で最高額を提示した広告主を選定し、媒体へ通知します。
⑥ SSPから通知を受けた媒体は、広告の掲載を行います。
ここまでの処理が、1インプレッションごとに、わずか0.1秒以内に行われているのです。
つまり、ユーザーごとにマッチする広告を随時選別して掲載されているため、費用対効果の高い配信を可能にする仕組みなのです。
ここで、DSP広告とよく間違われる、アドネットワークに関する基礎知識とDSPとの違いについて把握しましょう。
アドネットワークは、複数のWebメディアの広告枠を束ねた広告配信ネットワークです。
クリエイティブ・配信期間・広告枠を柔軟に設定することが可能で、大量のインプレッションを目的とした広告配信です。
アドネットワークは独自の広告枠を持っている一方で、DSPは単体での広告枠を保有していません。
アドネットワークは、純粋に保有している広告枠へ配信を行うだけで、自社のターゲットではないユーザーにも広告配信をされる可能性があります。
一方で、DSP広告はアドネットワークと異なり、クリエイティブ・配信期間・配信先に加え「人=ターゲット」を絞り、年齢、性別、都道府県などを指定し、的確に自社のターゲットとしているユーザーへの広告配信を可能にしています。
DSP広告はディスプレイ広告の一種でありますが、ディスプレイ広告と言えばGDN(Googleディスプレイネットワーク)や、YDN(Yahoo!ディスプレイ広告)を思い浮かべる方も多いでしょう。
GDN、YDNとDSP広告の違いとして、配信先が「面」か「ユーザー(人)」なのかという点です。
GDNやYDNは上記で説明したアドネットワークの一種のため、広告主が希望するメディアやサイトに広告を掲載します。
DSP広告は、オークションにより条件にマッチした「ユーザー」に対して広告を配信します。
次に、DSP広告を利用するメリットについて解説します。
最も明確なメリットは、ユーザーに対して効果的に広告を配信できることです。
DSPは複数のネットワークを介して、ユーザーのオーディエンスデータ(=個人を特定しないユーザーのデータ)や属性に合わせた広告を掲載することができます。
「どこに広告を出すか」ではなく、「誰に広告を見せるか」という目的で運用されるため、商材に対して興味・関心を持ちやすいユーザーに対して効率的に広告を配信できます。
また、DSPでは膨大な量のデータを元に、広告効果の最適化・最大化が図られます。
これにより、従来のプラットフォームよりも更に広告の効果を高める事ができるようになりました。より少ないコストで、効果の高い広告を出すことが可能となったのです。
現在、国内外を問わず、様々な特徴を持つDSPが登場しています。
ここでは、大きく2つのタイプについてご紹介します。
まずは「自動最適化型」と呼ばれるタイプです。
このタイプは、各DSP独自のアルゴリズムを用いて、広告効果やCPAが自動的に最適化されます。
運用は基本的に自動化されているため、手間が掛からず、コストも低めに抑えることができるというメリットがあります。
もうひとつのタイプは「運用型」です。
このタイプは、広告パフォーマンスを確認しつつ、アルゴリズムではなく人間が手動で運用します。
人間の操作が入るため、様々な場面で柔軟な対応ができることがメリットです。明確なKPIを伴った広告商材に需要があります。
上記2タイプそれぞれの要素が組み合わさっているDSPも多いですが、この運用種類はDSPを選ぶ際の目安になるでしょう。
DSP広告の課金形態は、大きくCPC課金とCPM課金の2つに分かれています。
まずは「CPC課金」ですが、こちらは広告がクリックされる度に課金が発生する課金形態です。
「Cost Per Click」の略称で、「クリック課金」とも呼ばれます。
問合せや申込など、ユーザーのアクションが必要となる広告に適しています。
DSP広告でCPC課金を利用した場合、費用相場は1クリックあたり50〜100円程度と言われています。
「CPM課金」は、広告が1,000回表示される度に課金が発生する方式です。
「Cost Per Mille」の略称で、「インプレッション課金」とも呼ばれます。
より多くのユーザーに見られることで、認知を広げることを目的とする広告に適しています。
DSP広告におけるCPM課金を利用した費用相場は、1,000インプレッションあたり100〜500円程度と言われています。
上記2つの課金方法の違いは、ユーザーがクリックするという能動的なアクションで課金が発生するか、広告の表示により課金が発生するかです。
各DSPごとに、両方の課金方式を利用できるもの、片方しか利用できないものがあります。各課金形態の特徴を理解し、DSPを選ぶ時の判断材料にすると良いでしょう。
DSP広告のサービスを提供する会社は複数存在します。
ここでは、DSP会社の特徴や費用感について詳しくご紹介します。
株式会社マイクロアドが運営する「UNIVERSE Ads(ユニバースアズ)」は、自社SSP「MicroAd COMPASS(マイクロアドコンパス)」を中心に、広告在庫数:2,000億/月を超える日本最大級の配信先を保有しており、静止画・動画・ネィティブフォーマットへの対応をしています。
「運用型」のDSP広告であり、表示回数に応じてコストが発生する「CPM課金」の形態をとっています。
フリークアウト社が運営するRedは最先端の独自機械学習エンジンを搭載し、全デバイス対応のマーケティングプラットフォームです。
「運用型」のDSP広告サービスであり、課金方式は「CPC課金」の他、表示回数に応じてコストが発生する「CPM課金」も利用が可能です。
※画像含む 引用元:株式会社フリークアウト
こちらも「運用型」のDSP広告サービスで、「CPC課金」「CPM課金」両方の課金方式を採用しています。
初期設定費用や最低出稿金額がないため、コストを抑えた低リスクの出稿ができます。
運用データを元に、複数のレコメンドプランを自動で提案してくれる機能により、ターゲットの設定や分析などを細かく行えることが特徴です。
※画像含む 引用元:SMN株式会社
クライド社が運営する、「ADMATRIX DSP」は国内の企業IPアドレス、業種を指定したターゲティングができるBtoBマーケティングを得意とする、「自動最適化型」のDSPです。
「CPM課金」「CPC課金」両方の課金方式を採用しています。
※画像含む 引用元:株式会社クライド
ゲーム・アプリ広告を得意としているDSP企業です。
月間買い付け可能トラフィックは6,000億インプレッションを超えており、KPI達成を最重要視した効果的な広告配信を実現します。
「自動最適化型」のDSP広告サービスであり、「CPM課金」が採用されています。
※画像含む 引用元:UNICORN株式会社
Criteo社が運営する「Criteo」は、データフィードを活用したダイナミック広告に強みをもち、ユーザーごとにカスタマイズされた動画広告やディスプレイ広告配信を実現します。
「自動最適化型」のDSP広告サービスであり、クリック毎にコストが発生する「CPC課金」が基本的に採用されています。
※画像含む 引用元:Criteo株式会社
「Dynalyst」はモバイル向けアプリのリエンゲージメント広告に特化したDSPであり、CPM課金を採用しているDSPです。
※画像含む 引用元:株式会社サイバーエージェント
※上記7社についてさらに詳細を見たい方はこちら
今回7つのDSPをご紹介しましたが、各DSPの特徴や機能の多様さがお分かりいだだけたのではないでしょうか。
どのDSPを選定するかは、広告主様のKPIを明確にし、各DSPの特徴と照らし合わせて検討する必要があります。
まずは、各DSPの「強み」に注目してリストアップしてみると良いでしょう。
例えば、広告主様のターゲットにどれだけ明確にリーチができるかや、他にも、マーケティングなどの分析が得意、配信リーチ数が多い、サポートが手厚く初心者でも始めやすいなどDSPには様々な特徴があります。
ある程度まで絞り込んでからサービスを検討することをおすすめします。
また、「DSPはGDNやYDNで効果が出てから始めよう」という方もいらっしゃいますが、そんなことはありません。
ターゲティング手法が面かユーザーかで異なっているため、KPIに合わせた媒体選別が広告担当者にとってはキーポイントになってきます。
DSPを利用することで、広告主はより効果的なターゲットへ広告の配信が可能となり、サイト運営者は収益に繋がる広告を効率的に掲載することができます。
そしてユーザーは、自分が必要とする広告を見ることができることから、DSPは三者三様のメリットが得られるサービスと言えます。
DSP広告で活用されている技術も日々一新されているため、各社のアップデート情報など、逐一キャッチアップすることが重要になってきます。
マイクロアドでは「UNIVERSE Ads」という国内最大級のDSPプラットフォームを運営しています。
ぜひご覧ください!
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