総務省が実施している「ふるさと納税に関する現況調査結果(令和5年度実施)」によると、ふるさと納税の受入金額は約9654億円、受入件数は約5184万件です。ふるさと納税の認知は拡大しており、ふるさと納税の寄附金額は年々増加傾向です。
それにともなって目的に沿った返礼品を絞り込み、ふるさと納税を簡単におこなうことができるポータルサイトも増加しています。
ふるさと納税の寄付額の変動はそのまま税収の増減につながります。それゆえ、魅力的な返礼品を提供し、なおかつ効果的なプロモーションをおこなって寄附金を多く集めたいと考える自治体は多いでしょう。
ただし、2023年10月からふるさと納税のルールの変更が決まっており、返礼品として設定できる商品の条件が厳しくなることがわかっています。ふるさと納税の条件変更を踏まえ、各自治体はプロモーションの強化が急務です。
ふるさと納税のプロモーションを成功させるには、購買データの活用や配信するターゲットの絞り込みや媒体の選別が不可欠です。本記事では、ふるさと納税においてデータを活用したデータドリブンマーケティングの重要性と、購買データを活用したプロモーションの方法について解説します。
自治体のふるさと納税のプロモーションに適したプラットフォーム「ふるさと納税でまちあげ」についてもご紹介しますので、最後までご覧ください。
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ふるさと納税の認知は拡大しており、ふるさと納税の寄附金額は右肩上がりで増加を続けています。
各自治体はふるさと納税の返礼品に力を入れており、多種多様な商品が増えてきました。ふるさと納税の比較サイト「ふるさと納税ガイド」では、2022年12月のデータを基に返礼品で実際に選ばれている人気カテゴリを解説しています。それによると、寄附金を多く集めている自治体の返礼品は海鮮物や肉類といった食料品の人気が高い傾向にあります(※1)。
返礼品の選別にあたって寄附金額や経費、利用率などのデータから見るふるさと納税の現状について理解を深めましょう。
(※1)ふるさと納税ガイド 【2022年速報】ふるさと納税で「実際に選ばれた」返礼品カテゴリ人気ランキング
総務省が発表している「ふるさと納税に関する現況調査結果 (令和5年度実施)」によると、令和4年度のふるさと納税の受入額は9,654億円でした。対前年比は約1.2倍と受入額は増え続けています。なお、都道府県別の全国1位は北海道で1452億円です。2位の福岡県に比べると2.6倍近くの差が開いており、地域によって受入額に差があることがわかります。
2015年におこなわれた税制改正により、ふるさと納税の特例控除額の上限が所得割額の2割に引き上げられました。さらに、確定申告不要で寄附金税額控除を受けられるワンストップ特例制度が創設されました。これにより、ふるさと納税を利用する方が増えたと考えられます。
自治体がふるさと納税で使用する経費の中には、返礼品の調達費も含まれます。2019年6月より返礼品の調達割合は30%以下にすることが義務付けられました。さらに、ふるさと納税の経費は全体費用の50%以下にすることもルール化されました(※2)。
※2)総務省 ふるさと納税指定制度における令和元年6月1日以降の指定等について
3位は神奈川県と人口の多い都府県の利用率が高い結果となっています。
一方、宮城県を除く東北5県は利用率が低く、すべて40位以下です(※3)。
(※3)PRTIMES ふるさと納税の都道府県別「利用者数・利用率」と「平均寄附金額」を発表|2023年最新データ
総務省は、2023年10月よりふるさと納税のルールを変更することを決定しました。変更点は以下のとおりです。
地場産品基準とは、返礼品に使用している原材料が、自治体が属している都道府県で生産されているのかを判断する基準です。2023年10月以降は、熟成肉と精米を返礼品として使用する場合、同じ都道府県で生産されたものを原材料とするもののみ対象とすることが決まりました。
経費の計上方法についても条件が変更となります。今までは受領証の送付や、ワンストップ特例事務の手続き等に関しては費用に含めずとも対応できました。2023年10月以降は各種事務手続きにかかる費用等も含めて経費は5割以下が義務付けられます。
各自治体がふるさと納税に力を入れており、商品点数は増加の一途を辿っています。それゆえ、ユーザーターゲットを絞ったプロモーションが必要です。
ここからは、既にふるさと納税のプロモーションに取り組んでおり、寄附金額の増額に成功している自治体の事例をご紹介します。各Web広告媒体ごとにご紹介しますので、参考にしてください。
ふるさと納税の寄附金額・寄付件数で全国1位を複数回記録(※4)している紋別市の事例をご紹介します。
紋別市はオホーツク海沿いにある都市です。農業や漁業・水産加工業が盛んで、流氷観光ができるガリンコ号でも有名です。紋別市では2021年のふるさと納税のかけこみ需要が高まる時期に、Yahoo!ショッピングのタイアップ広告を選択。Yahoo!JAPANのサイト内ですべてが完結できるように、次の手順で広告を展開しました。
すべてYahoo!JAPAN内で完結できるように整えて、広告から得られる商品の購入などのコンバージョンも可視化できるように設定。その結果、幅広い層への認知拡大は成功を収めました。
※4)紋別市 紋別市ふるさと納税
有田町は佐賀県西部にある町で、伝統工芸品の一つ、有田焼の産地として知られています。有田町ではふるさと納税の取り組みとして、新聞や雑誌など紙媒体に広告を掲載していました。
しかしながら、4月から8月までは寄附額が伸び悩むほか、人員不足により対応しきれない点などが課題でした。そこで、よりクリエイティブを重視したSNS広告を展開し、有田焼などの返礼品の魅力を効果的に伝えることに注力しました。
その結果、2022年の有田町のふるさと納税の寄付額は12.6億円と、5年前の1.5倍以上に増加しました(※5)。
※5)自治体オープンデータ 有田町ふるさと納税寄付金額
ふるさと納税でLINE広告を活用して成功した事例として、神奈川県鎌倉市の取り組みをご紹介します。鎌倉市のふるさと納税の認知拡大と利用者数の増加を目指し、紙媒体やふるさと納税の専門誌への掲載以外に、LINE広告の活用を決定しました。
ふるさと納税の需要が高まる2021年10月から12月の3か月限定でLINE広告を実施。その結果、2021年の鎌倉市のふるさと納税の寄付額は約17億円と、前年に比べて約5億円増加しました(※6)。
※6)自治体オープンデータ 鎌倉市ふるさと納税寄付金額
ふるさと納税の認知度拡大のためにGoogle広告を活用し成功した事例をご紹介します。福島県田村市の人口は約3万3千人で、少子高齢化の影響を受けて人口減少が続いています(※7)。
田村市は税収を確保するためにふるさと納税を積極的に活用する方針を定めました。その一環として、ふるさと納税の認知度拡大を目指し、2018年にデジタル広告を導入することを決定。Google広告の配信は2018年の11月から2か月間実施しました。
その結果、2017年に比べて2018年のふるさと納税の納税額は前年比4.7倍と大きく増加しました(※8)。
※7)福島県田村市 ホーム
※8)自治体オープンデータ 田村市ふるさと納税寄付金額ふるさと納税における自治体の成功事例からもわかるように、Web広告を上手く活用しプロモーションに力を入れている自治体の寄附金は伸長しています。ここからは、プロモーションのコツや注意点について解説します。
Web広告は、閲覧するユーザーを詳細にターゲティングできる点がメリットです。ユーザーの居住地や年代・性別のデータ以外にも、どのような商品を購入しているのかやインターネットでの行動履歴なども活用して広告を配信できます。
ふるさと納税を訴求する広告を配信する際は、返礼品に興味を持つユーザーを絞り込んで、ターゲットを明確にすることが重要です。
返礼品には肉製品や野菜、海鮮物などの食料品もありますが、パッケージやキャッチコピーが優れていないと、ほかの自治体との差別化を図りづらいでしょう。
各自治体の多種多様な返礼品が集まっているふるさと納税のポータルサイトがいくつも存在します。それゆえ、数ある返礼品の中からクリックしたいと思わせるものがなければ競合に負けてしまいます。返礼品の魅力がしっかり伝わるように、クリエイティブにこだわって広告を配信しましょう。
とはいえ、返礼品の魅力を伝えようとしすぎるあまり、返礼品ばかりを過度に強調しすぎる広告は規制対象となりますので、気をつけましょう。
※参考:令和4年度版 ふるさと納税制度の適正な運用について(総務省)
ふるさと納税の寄附金を集める方法に、課題を感じている自治体は多いでしょう。寄附金を多く募るためには広告媒体を複数選定して、より多くの方々の目に触れるようにした方が効果が高いと考えるかもしれません。
しかしながら、限られた予算の中から広告費用を捻出するのが難しい場合もあり、なおかつ担当者の人員も不足している場合がほとんどです。成功事例からもわかるように、まずは一つの媒体に絞り込んで広告を配信することが適切といえるでしょう。
自地域がおこなうふるさと納税制度を訴求する際は、広告を配信するだけではなく、広告の成果を分析することが重要です。Web広告の成果として、以下の分析が可能です。
Web広告を配信すると、広告の表示回数を確認できます。さらに、広告が表示されてからユーザーが次にどのような行動をしたのかも把握できます。
これにより、ユーザーが興味関心を持った商品が何かを特定できるため、返礼品の選定にも役立てることができます。
ふるさと納税のWebプロモーションをより効果的におこなうためには、広告成果を含めたデータの有効活用が必須といえるでしょう。具体的にどのようなデータの活用ができるのかを、この章では解説します。
ユーザーの行動履歴やビッグデータなどを客観的に判断するマーケティング手法を、データドリブンマーケティングと呼びます。ふるさと納税におけるデータドリブンマーケティングとしては、例えば以下のようなデータの分析が挙げられます。
このような分析をおこなったうえで、返礼品そのもの・単価・訴求すべきポイントの見直しや改善につなげましょう。
そのほかに活用できるデータとして、ポータルサイトにおけるクレジットカードの購買データなどが挙げられます。購買データに基づき、ふるさと納税に興味・関心のあるユーザーに効果的に訴求することができます。
「ふるさと納税でまちあげ」では、ふるさと納税に興味関心のある方に加えて、さらに詳細なターゲット設定が可能です。設定できるターゲットは次のとおりです。
データドリブンマーケティングにも対応できるように、各種データの取得も可能です。
「ふるさと納税でまちあげ」では、クレジットカードの購買データや保有ポイントのデータを活用できます。
これらのデータを活用することで、ふるさと納税を利用しているユーザーのターゲティングが可能です。
※クレジットカード・ポイントなどのデータに、それぞれの会員の個人情報は含まれません
「ふるさと納税でまちあげ」では広告配信をおこなう際、規模の大きなメディアから小規模なサイトまで幅広く広告配信が可能なサービスです。ニュースポータルサイトから、女性がメインターゲットのメディア、スポーツやIT、エンタメなど幅広いジャンルを取り揃えており、圧倒的なリーチ数を誇ります。
「ふるさと納税でまちあげ」では、広告に興味を持った方の見込みふるさと納税件数を算出できます。具体的には、まず広告のクリック数を算出します。
これを納税1件に必要なクリック数で割ることで、見込みふるさと納税件数がわかります。
自治体が実施するふるさと納税制度を効果的に訴求するには、ポータルサイトにおける、利用者の多い都道府県や利用率、購入の多い曜日など様々なデータを分析する必要があります。土日に利用者が多いのであれば、土日にWeb広告の出稿を増やすといった手法が有効でしょう。
少子高齢化が進む中で、ふるさと納税による寄附金は各自治体にとって税収に直結します。これからは、ますますデータを活用したマーケティング力が問われます。
今回ご紹介した「ふるさと納税でまちあげ」は、自治体のふるさと納税に特化したターゲティングが可能です。現在、ふるさと納税の寄附額が伸び悩んでいる自治体および広告出稿を担当している代理店の方は、ぜひ利用をご検討ください。
※ふるさと納税における広告規制については、こちらもお読みください。