「プロポーザル方式による入札に参入しても、思うような成果を挙げられない」
「プロポーザル提案書を作成する際に押さえるべきポイントを知りたい」
このような悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
自治体が業務を外部に委託する際に利用する発注方式の一つが、「プロポーザル方式」です。プロポーザル方式では、各企業の提案内容や価格を主査者が評価して契約を結びます。
本記事では、プロポーザル提案書の記載内容やプロポーザル方式における入札の流れのほか、提案書を作成する際のポイント・プレゼンする際のポイントについて解説します。
記事の後半では、自治体がプロポーザル方式で募集するケースがあるPR業務に最適なツール「まちあげ」をご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次を表示
1.1 はじめに
1.2 目次
1.3 目的と業務内容
1.4 実施項目一覧
1.5 各項目の詳細
1.6 追加提案
1.7 スケジュール
1.8 実施体制
1.9 会社概要
2.1 プロポーザルの実施公告を確認する
2.2 内容を問い合わせる
2.3 参加表明書を提出する
2.4 確認通知を受領する
2.5 企画提案書を作成・提出する
2.6 プレゼンをおこないヒアリングを受ける
2.7 審査結果が通知される
2.8 契約締結
3.1 提案書を作成する目的を意識する
3.2 提案先の抱える課題を把握する
3.3 提案内容の裏付けを練り上げる
3.4 第三者でも理解できるわかりやすい表現
3.5 表現の揺らぎに注意する
3.6 わかりやすいデザインを採用する
3.7 会社概要や自社PRは企画提案書の最初に記載しない
3.8 提出期限の1日前までを目安に提出する
4.1 相手のリアクションを意識してメリハリを付ける
4.2 スライド1枚につき必ず1つの結論を入れる
4.3 結論は必ず最初に説明する
4.4 最後に必ずプロポーズをおこなう
4.5 ストーリーテリングを活用する
4.6 質疑応答の対策を練っておく
4.7 リハーサルを念入りにおこなう
5.1 まちあげの概要
5.2 まちあげの特徴
自治体が業務を外部に委託する際の発注方式のうち、近年増加しているのが「プロポーザル方式」です。プロポーザル方式では、企業から提出された提案書を基に自治体が発注先を選定します。
したがって、企業がプロポーザル方式の公募に参画する際は、提案書に盛り込むべき項目を正しく理解して作成しなければなりません。 本章では、プロポーザル提案書に記載する内容全9項目を記載順に解説します。
「はじめに」とは、読み手が最初に読む序文にあたる箇所です。簡単な挨拶と企画の目的を理解しているというアピールをおこない、提案に至った背景などを記載します。
目次の箇所には、提案書に記載された各項目の見出しを記載します。目次を付けることで、全体の流れを容易に把握できるメリットがあります。
提案書の枚数が少ない場合は省略するなど、要否を判断して挿入しましょう。
目的と業務内容については、公示内容をそのまま記載します。この部分が企画の骨子となるため、絶対に間違ってはなりません。
実施する業務内容について、項目を箇条書きにします。一覧には簡単なコメントを入れて、業務の流れがつかめるようにしましょう。
提案内容の各項目について、詳細を記載します。最初に提案内容の概要を簡潔に記載してから、詳細を説明すると内容を理解してもらいやすいでしょう。
事前に決めた具体案は、すべて漏れなく記載しましょう。また、予測される効果については、数値などを用いて実現可能で説得力のある内容にする必要があります。
追加提案は、各項目の詳細を説明したあとに補足的に記載します。実施内容とリンクさせると同時に、業務の目的に沿っているかも重要です。
スケジュールは、時期や担当者・作業内容について漏れなく盛り込むようにしましょう。提案先の希望に沿ったうえで、実現可能なスケジュールを提案できるかがポイントです。
通常は1ヶ月単位でスケジュールを記載します。その際、業務が遅れても取り返しがつくように、ある程度余裕を持たせるようにしましょう。
提案した内容に対して、どのような組織で人員をどれだけ配置するのかを記載します。共同提案をおこなう場合は、すべての構成事業者の情報をもれなくまとめましょう。
自社の社名・住所・代表者名・資本金などの情報尾概要を記載します。自社の紹介や過去の取引実績も盛り込んで、提案先の信用を得るような内容にしましょう。
プロポーザル方式の入札で提案書を作成するにあたり、入札の流れをきちんと理解して対応する必要があります。ここでは、プロポーザル方式を利用する流れをステップごとに解説します。
プロポーザル方式の入札に参入する際は、最初に公示内容を隅々までチェックしましょう。公示されるタイミングは、官公庁や自治体の予算成立スケジュールを把握しておくと、ある程度予測できます。
プロポーザルの実施公告は、自治体のホームページなどで確認できるので、こまめに確認しましょう。
プロポーザルの実施公告では、実施説明書や仕様書なども併せて公開されるのが一般的です。また、自治体によっては参加希望者からの問い合わせに対する回答が公開されているケースもあります。実施説明書や仕様書の内容をよく確認して、不明点がある場合は自治体に問い合わせましょう。
なお、説明会を開催して、その場で質問する機会を設けている自治体もあります。説明会への参加がエントリーの条件になっているケースもあるので、注意が必要です。
公告内容を確認したうえで、プロポーザル参加表明書を提出してエントリーします。プロポーザル参加表明書の様式は、各自治体で用意されているのが一般的です。ホームページなどからダウンロードして作成しましょう。
プロポーザル参加表明書を受領した自治体によって、参加資格の有無が審査されます。参加資格があると判断された場合、参加資格確認通知書が発行されます。
確認通知を受領して、資格を満たすと判断された場合は、速やかに企画提案書の準備に移りましょう。
自治体で用意された企画提案書作成要領などの手順書に従い、企画提案書を作成します。企画提案書は提出納期が設定されているので、納期までに確実に作成して提出しましょう。
企画提案書を提出したあとに、プレゼンテーションが実施されるケースがあります。プレゼンの日時・参加人数の上限・使用可能な資料などを確認したうえで準備に取りかかりましょう。
プレゼンのあとにヒアリングの時間が設けられており、企画提案書やプレゼンの内容について質疑応答がおこなわれます。
入札結果は、結果通知書という形で原則書面で届きます。採用が決定した際に、書面以外に電話やメールで連絡が入る場合もあります。
提案が採用されると、契約締結をおこないます。万が一、契約交渉がまとまらなかった場合は、次の候補者に繰り上がります。
本章では、プロポーザル提案書を作成する際に、押さえておくべきポイントについて解説します。
プロポーザル提案書は、提案先の課題に対して解決策を提示する資料です。したがって、提案書の目的は解決策が採用されることです。
提案書を作成するにあたり、提案先に課題の解決策をどのように示すのかを意識しましょう。その際、なぜその業務を委託しようとしているのか、背景には何があるのかなどをきちんと把握しましょう。
提案先の課題に対して的確な解決策を提示するには、その課題を正確に理解する必要があります。提案先が困っているものは何か、何を改善したいのかなどを把握しましょう。
提案内容の裏付けや根拠が明確でないと、相手から信用を得られません。また、スケジュールや予算に実現可能性が感じられないと判断されてしまうと、採用される可能性は低いでしょう。
客観的なデータを用いて、実現可能な提案内容であることをアピールしましょう。
提案書を作成しても、提案先に内容が伝わらないと意味がありません。なるべく難しい言葉や表現を使わずに、伝えたい情報を極力シンプルに記載しましょう。その際、第三者でもわかりやすい表現を意識しましょう。
提案書を作成したらなるべく複数の人からレビューを受けて、アドバイスを受けるのもおすすめです。
プロポーザル提案書を作成するうえで、表現のゆれが発生しないようにしましょう。一つの意味を複数の異なる表現で記載したり誤字脱字があったりすると、提案先のノイズとなり混乱や理解の妨げの元になるため注意が必要です。
デザイン・スタイル・文言などを統一して、提案書に一貫性を持たせましょう。
プロポーザル提案書を作成するうえで、表現のゆれが発生しないようにしましょう。一つの意味を複数の異なる表現で記載したり誤字脱字があったりすると、提案先のノイズとなり混乱や理解の妨げの元になるため注意が必要です。
デザイン・スタイル・文言などを統一して、提案書に一貫性を持たせましょう。
プロポーザル提案書で求められるのは、提案先の課題に対する的確な提案です。提案先の知りたいことを無視して、自社をアピールしてもよい印象は与えられないでしょう。
会社概要や自社PRは、一般的に提案先の課題解決においては優先度が低い情報に過ぎません。自社の都合でそれらを最初に記載しても効果的なアピールにはならないでしょう。会社概要や自社PRを盛り込む際は、文末に記載するか別資料として準備しましょう。
プロポーザル提案書は、事前に通知された提出期限までに提出しなければなりません。万が一期限に遅れてしまうと、受け取ってもらえません。
余裕を持っての提案書作成を心がけましょう。提出期限当日に提出しようとしても、渋滞や電車の遅延で締め切りを過ぎてしまうケースも想定されます。
目安としては、提出期限の1日前に提出するようにしましょう。
せっかく提案書を作成しても、プレゼンテーションの際にきちんとアピールできなければ意味がありません。プレゼンを意識して提案書を作成する必要があります。
ここでは、プロポーザル提案書をプレゼンする際のポイントについて解説します。
プレゼンでは、資料に沿って提案内容を説明していきます。提案書のどの部分を重点的にアピールすべきかを事前に絞り込んで、わかりやすく伝えるよう意識しましょう。
その際、ただ資料を棒読みで説明するのではなく、相手の反応を見つつ声のトーンや話すスピードにメリハリを付けた説明を心がけましょう。
プレゼンで資料を使用する際は、PowerPointなどで作成したスライドを投影して説明していく形が一般的です。
アピールしたい内容をスライドに多く盛り込み過ぎても、逆に少な過ぎても提案先の印象に残らない可能性があります。過不足のないように、スライド1枚につき必ず1つの結論を入れるようにしましょう。
プレゼンでは、最初に結論を端的に説明したうえで、その理由を述べるのが鉄則です。結論を最初に示すと相手が概要を把握しやすくなって、その後の説明を理解してもらいやすくなります。
プレゼンの最後に、必ず課題解決に役立つ旨をアピールするプロポーズをおこないましょう。提案先の課題解決の力になることを宣言して、提案先に良い印象を与えましょう。
プレゼンの際は、体験談を盛り込んだりストーリーテリングを活用したりすると、自らの主張を相手に明確に伝えやすくなります。物語を通じて相手に情報を伝えるストーリーテリングを用いて提案先の共感を得られると、より強い印象を与えられるでしょう。
プレゼンが一通り終了すると、質疑応答の時間が設けられるのが一般的です。質疑応答では、提案先がより詳細を知りたい内容について質問を受けます。
質問に対して、適切に回答できるかどうかが重要です。事前に想定質問を用意しておき、回答に困らないように準備を進めましょう。
プレゼンの際は、重点的にアピールしたい部分が相手に伝わるようにメリハリをつけて説明する必要があります。
滞りなく限られた時間内でプレゼンを終わらせるために、事前にリハーサルを念入りにおこないましょう。そこで気づいた点は改善して、時間内に伝えたい内容を漏れなく説明できるようにしましょう。
自治体が業務を外部に委託する際に、近年増加しているのが「プロポーザル方式」です。なかでも、PR業務をプロポーザル方式で募集するケースが多くみられます。
プロポーザル方式で受注を勝ち取るには、効果的な提案をおこなえるかが重要です。そこで、自治体のPR業務に役立つツールとして「まちあげ」をご紹介します。
「まちあげ」は、データプラットフォーム「UNIVERSE」が保有するWeb上の多種多様な行動履歴データを活用できます。これによって地方自治体の各種施策に対し、親和性の高いターゲットを捉えた広告配信が可能です。
自治体が取り組む各事業に興味や関心を持っているユーザー層に、効果的に広告を配信できるツールです。「まちあげ」を導入した自治体の9割以上が、KPIを達成した実績があります。
「まちあげ」の特徴として、地方自治体が立てた施策ごとに親和性の高い層に対してピンポイントで訴求できる点が挙げられます。また、自治体の魅力を配信したいターゲットユーザーに対して、低クリック単価での広告配信が可能です。
さらに、広告配信した結果を分析して可視化するレポーティング機能も活用できます。
プロポーザル方式による入札で契約を勝ち取るには、提案先の心をつかむ提案書を作成できるかがポイントです。
本記事では、プロポーザル提案書に記載する内容・入札の流れや提案書を作成する際のポイントについて解説しました。
提案先の心をつかむためには、提案先の課題をしっかりと把握したうえで、どのような解決策を提案書に盛り込めるかが鍵になります。
また、プレゼンでも同様に提案先に共感を得られるようにわかりやすく訴求する必要があります。リハーサルを念入りにおこない、伝えたい内容を漏れなく説明できるようにしましょう。
プロポーザル方式による入札で思うような成果を挙げられない方や、自治体のPR業務の入札を勝ち取りたい方は、本記事で紹介した内容を参考にしてみてはいかがでしょうか。