BtoB(Business to Business)は、企業が企業に向けて商品やサービスを提供するビジネスモデルです。
個人を相手とする、BtoC(Business to Consumer)と異なり、決裁者が複数人いたり単価が高かったりするため、購入してもらうまでのハードルが高い傾向にあります。
そのため、少しでも円滑に取引を進めるためにはマーケティングが欠かせません。
では、BtoBマーケティングには、どのような方法があるのでしょうか。
今回は、BtoBマーケティングの手法9選とそれぞれの特徴を紹介します。
▼こんな方におすすめです
・企業のBtoBマーケティング担当者
・リード獲得手法や、企業の認知向上に対する施策について情報収集している方
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1つ目はSEOです。
SEOとは、「Search Engine Optimization」と言われており、日本語に訳すと「検索エンジン最適化」です。
SEO対策をすることで、特定のキーワードで検索したときに、自分たちのWebページを検索の上位に表示させることができます。
その結果、大量のアクセス数を集めることで自社の商品やサービスを多くのユーザーに認知してもらう方法です。SEOは広告と違い、クリックされても費用が発生するわけではありません。
そのため、費用対効果が非常に高いです。
また、検索するユーザーというのはそのキーワードに対して興味・関心があるということです。そのため、自社の商品やサービスと関連するキーワードで検索上位を獲得できれば、多くのユーザーから購入してもらえるチャンスとなります。
一度、検索上位を獲得できれば長期的にアクセスが見込めるのもメリットです。
ただし、キーワードによって検索ボリュームが異なります。月間100万アクセスのあるキーワードで上位表示を狙うのは非常に難しいです。また、SEOは効果が出るまでに早くても3ヶ月ほどかかります。
キーワードによっては、半年〜1年以上経過しても検索の上位表示を獲得できない場合もあります。また、ブラウザ側のアップデートによって、これまで上位表示されていた検索キーワードが突然表示されなくなるということもあるので、注意しましょう。
2つ目はWeb広告です。
Web広告とは、インターネット上のメディアや動画プラットフォームなどに掲載される広告のことを指します。Web広告と一口にいっても、多様な種類が存在しています。ここでは主要な広告について解説します。
それぞれのWeb広告の特徴をまとめてみました。
・GoogleやYahoo!などの検索エンジンの検索結果に表示される広告
・出稿してからすぐに表示されるので、即効性がある
・広告費用もクリックされるまでかからないので、低投資から始めることが可能
・成果報酬型が多く、1資料ダウンロードにあたり2,000~3,000円で実施できるポータルサイトもあります
・リード獲得単価も安価で実施することができ、商談獲得単価も弊社実績によると1~2万程度
・Webサイトやアプリ上に表示される広告
・テキストはもちろん、動画や画像なども掲載できるので、自社の商品やサービスに合った最善の方法でアプローチが可能
・Webサイトなど複数の広告媒体を束ねて、広告配信ネットワークを作り、まとめて配信する方法
・業務効率を向上できる
・広告の費用対効果を最大化し、広告出稿における配信ターゲット・広告枠・入札金額・クリエイティブの最適化が計れる
・DSP企業によって多様なターゲティング手法があるため、よりターゲットを絞った配信が期待できる
・ホームページやWebサイトに、過去に訪れたことのあるユーザーに対して表示させる広告
・購買意欲の高い顕在層にアプローチできる
・特定のメディアに費用を支払うことで確実に表示される広告
・広告枠を購入し指定すれば、有名なメディアにも掲載できるので、訴求力が高く認知拡大が期待できる
・実際に掲載されている記事のような形式の広告
・記事と広告の区別がしづらいのでユーザーに対してストレスを与えにくい
・自社の商品やサービスをほかのWebサイトでPRする広告
・知名度のあるWebサイトに掲載してもらうことで信頼されやすくなる
・TwitterやFacebook・Instagramなど、SNSに掲載できる広告
・詳細なターゲティングが可能
・動画で商品やサービスの魅力を紹介できる広告
・視覚と聴覚の両方で情報を伝えることができるため、記憶に残りやすい
・SpotifyやVoicyなどのデジタル音声メディアにて流れる広告
・ほかの広告に比べてストレスが感じにくいので、スキップされず情報を届けやすい
・メールに広告が掲載される手法
・業種や職種など、正確なターゲティングによって費用対効果が高い
以前までは、テレビCMや新聞広告などのマス広告が一般的でしたが、ここ数年でIT技術が急激に進歩したことで、現在ではWeb広告が主流となっています。
株式会社電通が調査した「2021年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」によると、Web広告がマス広告を上回ったことがわかりました。
Web広告はマス広告と比較して、年齢や性別・職業・住所など、あらゆるターゲティング の設定が可能です。
そのため、興味・関心のあるユーザーに対してピンポイントで広告を配信できます。
また、Web広告は数百円から手軽に始めることができるため、個人で運用している人も少なくありません。
広告を掲載するまで時間がかからず、すぐに掲載されるので、即効性にも期待できます。
文章を修正したい場合にはいつでも変更できるため、臨機応変な対応も可能です。一方で、Web広告を運用するためには、ある程度の知識やスキルが必要になってきます。
Web広告の種類も豊富にあるので、運用経験がない場合にはWeb広告本来の力を発揮させるのは難しいため、広告代理店など運用に詳しい企業に依頼するほうがいいでしょう。
3つ目はSNS運用です。
スマホを所持している人のほとんどがSNSを利用しています。
有名なSNSは以下の通りです。
SNSで自社アカウントを運用することによって、リアルタイムで情報を発信できます。
また、リツイート機能やハッシュタグ機能などもあるので、フォロワー以外のユーザーにも情報を拡散させることで、認知度向上にも繋がるのです。
さらに、SNSは無料で使えるサービスのため、情報を上手く拡散できれば、低コストで商品やサービスの宣伝をすることが可能です。
ただし、SNSで不適切な表現や画像を投稿した場合、炎上するリスクがあります。
一度でも炎上してしまうと、信頼を取り戻すまでにかなりの時間を要するので気をつけましょう。
SNS運用は、訴求対象の企業アカウントに訴求しても効果は薄いので、社長や決裁者などが使っている個人アカウントをターゲット層に選定して情報発信するのがおすすめです。
4つ目は展示会です。
開催される展示会の規模によっては、1回の出展で数ヶ月分のリード獲得をすることも可能です。
また、情報収集を目的としている来場者がいる一方で、しっかりとした目的を持った来場者もいます。
そのため、自社の商品やサービスに興味を持ってくれた場合には、すぐに商談へとつながることもあるのです。
最近の開催は、オンラインが主流となっていますが、対面であるオフラインでは、顧客のスピード感や反応などを体感できます。
何度も展示会に出席することで、商品やサービスの認知拡大にも期待できるでしょう。
ただし、展示会へ出展するためには高額な費用がかかります。
そのほかにも配布物や出展するまでの準備・当日の人員確保なども必要なので、手間がかかることがデメリットと言えるでしょう。
5つ目はセミナー・ウェビナーの開催です。
自社開催のセミナーへの来場者は、既に何かしらの形で自社を知っている人や自社の商品やサービスに興味・関心がある人たちです。
そのため、ほかのマーケティング手法に比べて商談の成功率が高いことが特徴です。
また昨今、Webを活用して配信するウェビナーもBtoBマーケティングにおいてはかかせません。
弊社でも月に3〜4回程度ウェビナーを実施しています。開催終了後も閲覧できるように、サービスサイトへアーカイブ動画として公開しています。
そうすることで、当日ウェビナーに参加できなかった方へ、視聴を促すことも可能です。
セミナーやウェビナーは、一度に多くの見込み客に対してプレゼンができるので、営業効率が上がるほか、質疑応答などで企業の悩みや問題点を解決することができれば、信頼関係もさらに構築しやすくなります。
メリットもある一方で、セミナー開催には資料の作成や集客・当日の受付業務など展示会同様に準備に時間を要するため、人件費や会場費などの費用が発生します。
ウェビナーの場合は、Zoomなどウェビナーに特化したツールを活用することで、会場準備などがない分、オフラインのセミナーよりも簡単に開催することができます。ともなって、費用も安価に済むので、まずはウェビナーから始めてみるのもいいでしょう。
ですが、実際に集客を開始してみると、思ったように人が集まらないケースも多々あります。セミナー・ウェビナーの企画をたてる際には、集客プランも練っておきましょう。
思うように集客が望めなかった場合、すぐ対策を打てるように、最低でも1ヵ月程度の余裕を持ってスケジューリングもしていきましょう。
6つ目はホワイトペーパーです。
ホワイトペーパーとは、企業が知りたい有益な情報をまとめて、ホームページやWebサイトなどからダウンロードできる資料のことを指します。
ホワイトペーパーにも様々な種類があり、代表的なのは以下の5種類です。
ホワイトペーパーを作成することで、顧客満足度の向上に期待できます。
ホワイトペーパーの内容が自社の課題にマッチしていれば、ダウンロード数も増えるため、リード獲得数はともなって増加傾向にあります。
また、ダウンロードする際には名前や会社名、メールアドレスなどを入力することが多いので、見込み客の情報を入手することが可能です。
ですが、リード獲得はできたものの、すぐに受注に至るわけではありません。
そのため、ダウンロードされたら、即時にナーチャリングできるように、フォロー体制もしっかりひいておきましょう。
ホワイトペーパーは作成するまでに時間がかかります。
特に取材やアンケートなどを基に作成する場合には、時間だけではなく費用が発生することも多いので注意しましょう。
一度配布したホワイトペーパーの資料で誤字脱字や記載ミスなどに気付いたとしても、既にダウンロードされた資料に関しては修正できません。
その結果、顧客の信用を失うこともあるので、細心の注意を払ってホワイトペーパーを作成しましょう。
7つ目はテレアポです。
テレアポはマーケティングにおいて王道の手段とも言えるでしょう。
テレアポは、電話をするだけで新規顧客にアプローチすることができます。
上手くいけばそのまま商談につなげることもあるため、即効性に期待できるのがメリットです。
たとえ断られたとしても、企業が抱える課題点などのリサーチにもなりますし、電話1つで対応が可能なので、コストも安いです。
ただし、テレアポは多くの人が良い印象を抱いていません。
しつこい勧誘をする業者などと勘違いされることもあり、信用されにくいというデメリットがあります。
また、商品やサービスにもよりますが、100件電話しても商談につながるのが1件あれば良い方です。
電話先によっては、迷惑がられ、お叱りの言葉を受けることもあるので、精神的にツライと感じる人も少なくありません。
最近ではテレアポ代行業者というのもあるので、自社でテレアポにリソースを割けないのであれば、外部に依頼してみましょう。
8つ目はマス広告です。
マス広告とは、下記のマスメディアに掲載される広告のことを指します。
現在はWeb広告が主流となっていますが、それでもマス広告による効果は絶大です。
それぞれのメリット・デメリットを表にしてみました。
|
メリット |
デメリット |
テレビCM |
・テレビを視聴している多くのユーザーに情報を発信できる ・記憶に残りやすい ・商品やサービスに安心感を与えることができる |
・莫大な費用がかかる |
ラジオCM |
・時間帯を設定できるのでターゲティングしやすい |
・音声のみなので商品やサービスの魅力が伝わりにくい |
新聞 広告 |
・ニュース性、公平性の高い媒体のため信頼度が高い ・商品やサービスの詳細な情報まで伝えることができる |
・読み飛ばされてしまうことがある
・年齢層が限られている |
雑誌 広告 |
・掲載する雑誌のジャンルごとに詳細なターゲティングが可能 ・何度も読み返されるため長期的な広告効果に期待できる |
・新聞広告同様に読み飛ばされてしまうことがある |
それぞれのメリット・デメリットを把握したうえで検討しましょう。
そして最後9つ目はフォームマーケティングです。
フォームマーケティングとは、企業のお問い合わせフォームに自社のサービスに関する案内文を送信して、商談の獲得をするマーケティング手法です。
1通10〜15円程度で確実に選定した企業に送信できるのでおすすめの手法です。
商談獲得単価も比較的安価で、弊社で以前実施した際は、10万円の活用で9〜11件程度の商談を獲得することができました。また獲得単価は1〜2万程度の実績でした。
それぞれ特徴が異なる、BtoBマーケティングの主要な手法9選について紹介しました。
今回の記事を参考に、自社に合ったBtoBマーケティングの手法を選びましょう。
またたくさんある手法の中から選定に迷った場合は、まずは自社の目的・目標を達成しうるかを考え、比較検討を適切に進めましょう。
また、ターゲットとしているユーザー像をしっかり捉え、選定する手法で獲得につながるか否か、情報収集をして見極めることも重要なポイントです。
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