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自治体向け:位置情報を活用した広告手法とは? チラシとの違いや、位置情報を活用して広告効果を高める方法・事例を解説!

作成者: 松谷 有紗|23/07/04 8:43

弊社の調査※によると、全国の自治体の75%が紙媒体や広報紙、チラシを活用したプロモーションを行なっています。

※出典:地方自治体における観光客誘致を目的にしたWeb広告のニーズ調査レポート(全国300自治体を対象に実施)株式会社マイクロアド

 

広報誌やチラシのポスティング施策は、狭域エリアの指定ができることや保存性の高さなどのメリットはありますが、閲覧率や配布コストの高さなどのデメリットが挙げられます。


そこで今回は、位置情報データを活用した広告配信手法を、実際の活用事例を踏まえて解説します。


位置情報広告施策の推進方法や考え方もお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。

 

▼こんな方におすすめです

・紙媒体や広報紙のように特定エリアにプロモーションを行いたい方

・位置情報を活用した広告を打ちたいが、適切な広告媒体が分からない方

・Web広告の知識をこれから情報収集しようとしている方

・自治体職員の方、及び観光協会の方

 

目次を表示

  1.  位置情報を活用した広告の概要
     1-1. 位置情報ターゲティングとは
     1-2. 位置情報ターゲティングでできること
     1-3. 位置情報の取得方法

  2.  位置情報ターゲティング広告とチラシ広告の違い
     2-1.チラシ広告とは
     2-2.チラシ広告のメリットとデメリット
     2-3.位置情報ターゲティング広告のメリットとデメリット
     2-4.位置情報ターゲティング広告とチラシ広告の違い

  3.  自治体における位置情報ターゲティングの活用事例
     3-1 近隣県に住んでいる方を集めるイベント集客施策
     3-2 観光PR記事流入促進・来県プロモーション

  4.  位置情報ターゲティングの効果計測手法
     4-1 来県計測
     4-2 見込み移住者数の算出
     4-3 アンケート調査レポート

  5.  まとめ


 1. 位置情報を活用した広告の概要



位置情報を活用した広告のことを、一般的に「位置情報ターゲティング」と呼びます。

この章では、位置情報ターゲティングについて解説いたします。

 


1-1. 位置情報ターゲティングとは


位置情報ターゲティングとは、パソコンやスマートフォンから取得できる位置情報の行動履歴をもとに、生活圏や属性を推定して広告を配信する仕組みです。


ユーザーが過去訪れた場所の情報や居住エリアを基にターゲティングを行うため、都道府県や市区町村、郵便番号を指定した住所単位でのユーザーのターゲティングが可能になります。

 

そのため、特定のエリア内で、サービスの認知や来県促進を目的とした広告配信が可能となり、広告の費用対効果を高めることが期待できます。



1-2. 位置情報ターゲティングでできること


位置情報ターゲティングでできることは、字の如く特定エリアを指定した広告配信です。


例えば、下記図のように「過去1か月以内に◯◯県に行った人」や「過去3か月以内に特定のスーパーに5回以上行った人」「タワーマンションに住んでいる富裕層」などのターゲティングが可能です。


 

ユーザーのオフラインの行動履歴を活用することで、オンライン上で取得できるweb行動履歴ではできなかった地域密着型のターゲティングや来県効果を可視化できます。


また、広告配信後には、位置情報を活用した広告に接触した人が実際に来県したかやイベントに来訪したか、寄与度を測ることが可能です。




1-3. 位置情報の取得方法


この位置情報のデータは、どのように取得しているのでしょうか。

ユーザーの位置情報を自由に扱うことはできません。


ここでは位置情報取得における3つのステップを解説します。


◆位置情報取得における3つのステップ


1、アプリ運営企業が提供するアプリをユーザーがインストールします。


2、アプリをインストールした際に、画面に出てくるアプリの利用規約またはプライバシーポリシーでユーザーから位置情報取得の同意をとります。


データは、上記の規約に同意したユーザーのデータのみを取得することができます。

ユーザー側からすると、個人情報を第三者に渡すのは…と躊躇う方が多いように思いますが、個人を特定した広告配信はされません。


3、ユーザーが使用するデバイスのプライバシー設定で、位置情報サービスの取得をオンにします。


上記のステップで、位置情報データを取得してマーケティングに活かしています。

位置情報の利用は、ユーザー同意に基づき慎重に利用する必要があります。


また、位置情報データの計測手法として、主にGPSが利用されます


GPSでのデータ取得イメージとしては、平面の地図上にピンを刺し、そこで検知されたユーザー情報を蓄積します。

GPSではアプリから取得できるためデータ量が確保できるのが特徴です。


その他にも、店舗単位で計測できるWi-Fiや基地局、Beacon(Bluetooth)などがあります。

 


 2. 位置情報ターゲティング広告とチラシ広告の違い



ここまでは、位置情報ターゲティングの概要や取得方法を紹介しました。

ここからは、位置情報ターゲティングとチラシ広告の違いを説明いたします。

 


2-1.チラシ広告とは


チラシ広告とは、一般的にポスティング広告と呼ばれ、一軒ずつチラシ上の広告を投函する手法です。

町、丁目単位での狭い地域を細かく指定することができ、A4のサイズからポストカード、厚みのある小冊子なども投函することができます。


チラシ広告は、紙媒体の中ではクリエイティブの柔軟性が高く、エリアも細かく指定ができる一方で、費用については新聞折込広告と比較して高額となる傾向があります。



2-2.チラシ広告のメリットとデメリット


チラシ広告のメリットとデメリットとして以下のものが挙げられます。


【チラシ広告のメリット】

・家庭内に保存される可能性が高く、反復的に訴求ができる

・クリエイティブの自由度が高い


【チラシ広告のデメリット】

・広域のエリアに投函するには効率が悪い

・反応があったかの効果計測を行いづらい


例えば、配達ができるエリアが限られている「ピザ屋」や「寿司屋」などの商圏が決まっている店舗型のお店では、町丁目指定ができるポスティングの方が効率的です。

またポスティングされたチラシに、半額クーポンなどの特典をつけることで、チラシが保管される可能性があります。


保管されることで、チラシを閲覧した当日だけではなく、反復的に宣伝効果の反応を期待することができます。

ユーザー層としては、高年齢層でスマートフォンを活用するのが苦手な方や、電話で注文したい方にとっても利便性が高い広告手法です。



2-3.位置情報ターゲティング広告のメリットとデメリット


繰り返しにはなりますが、位置情報ターゲティング広告は、ユーザーから利用許諾を取得できた位置情報のみを活用し、いつどこにいたのか、今どこにいるのかといった位置情報を、目的に合わせてターゲティング設計する広告手法です。


位置情報ターゲティング広告のメリットとデメリットとして以下のものが挙げられます。


【位置情報ターゲティング広告のメリット】

・行動履歴データを自由度が高くターゲティング設定ができる

・どれだけのユーザーに広告が届いて、反応があったかの効果計測を行える

・少ない予算から広告の出稿ができる

・広告が届いたユーザーの来県有無を計測することができる

・クリエイティブの自由度が高い

・効果検証のPDCAサイクルを早くまわせる


【位置情報ターゲティング広告のデメリット】

・視認性が低い

・高年齢層にリーチしづらい


チラシ広告と比較した時の最大の特徴は、広告予算の最低額が低く、どれだけの人に広告が届いたかの費用対効果が計測できる点です。

数値が見えることにより、広告運用におけるPDCAのサイクルも早くまわすことができます。


例えばクリエイティブ(広告のバナー素材)の反応が低い場合、管理画面の操作で新しいクリエイティブに差し替えたり、集客したい日に合わせて週末に配信量を増やすなどの運用調整が可能です。


ユーザー層は、高年齢層は若年層と比べてネットの利用率と利用時間が少ないため、高年齢層へのアプローチとしては、チラシ広告などの紙媒体の方が適しています。



2-4.位置情報ターゲティング広告とチラシ広告の違い


両者の最大の違いは、ターゲティング設定や掲載期間、クリエイティブの差し替えの変更ができるかなどの柔軟性の高さです。


また、1人あたりの配布コストもチラシ広告は5~8円に比べて、位置情報ターゲティング広告は0.1~3円で実施することができます。

そのため、位置情報ターゲティング広告は少額から気軽に始めることができ、障壁が低い広告だと言えます。


位置情報ターゲティング広告とチラシ広告の詳細な違いは以下の表にまとめておりますので、ぜひご覧ください。

 


 

 3. 自治体における位置情報ターゲティングの活用事例



ここからは、弊社で自治体様向けに行った位置情報ターゲティングの活用事例を紹介いたします。

事例を見て、活用イメージを膨らませましょう。



3-1 近隣県に住んでいる方を集めるイベント集客施策


<実施の背景>

近隣県に住んでいる方に対し、自治体が開催するイベントの認知拡大及び集客を目的としたプロモーションを行いました。

 

この自治体様は、定常的に広告の配信をおこなっているものの、実際に広告経由で来県に繋がっているのかわからないという課題がありました。

そこで、広告の計測指標は来県率とクリック単価の2点を計測して配信を実施しました。


※クリック単価:1クリックあたりに広告でユーザーをサイトに流入させる価格。

別名CPC(Cost Per Click:クリックあたりの消化金額)。


<ターゲティング>

エリアごとに来県率が上昇したかを効果計測するため、近隣県の市区町村に10エリアに分けて配信しました。


<結果>

目標クリック単価である150円に対して、75円で配信することができました。

来県率も、10エリア全てで非広告接触者に比べて広告接触者の来県率が上昇した結果となり、自治体様からも効果の可視化ができたとご好評をいただきました。



3-2 観光PR記事流入促進・来県プロモーション


<実施の背景>

自県への観光客増加のため、プロモーション記事への流入促進を行いました。

半年を通じて、四季にまつわるクリエイティブ(広告バナー)を活用して広告配信を実施して、どの記事や訴求内容が最も来県に繋がったかを検証しました。


今回は、記事への流入単価(広告のクリック単価)と来県計測の単価を測りました。

来県計測の単価とは、広告をみた人が計算上1人いくらで来県してくださったかを表す金額です。


<ターゲティング>

・東北地方の居住者


<結果>

目標クリック単価である80円に対して、72円で配信することができました。


来県計測単価は170円となり、来県促進に1人あたり170円でプロモーションが行えたという結果を表しています。

 


 4. 位置情報ターゲティングの効果計測手法



広告配信では、ただ広告を配信して終わりではなく、実際にプロモーションでターゲットが動いたか?の可視化が重要です。

ここでは、位置情報ターゲティング広告配信後のレポートや計測できる数値をご紹介します。

 


4-1 来県計測


観光のプロモーションを実施した場合、広告に興味を示した方が実際に県や市へ来訪したかの計測を行い、そこから広告経由での推定消費額を算出します。


※推定消費額は、観光の平均同行者数や平均消費額を元に、観光庁の「旅行・観光消費動向調査」のデータを参考に算出しています。




4-2 見込み移住者数の算出


移住促進は観光やふるさと納税の訴求に比べて時間がかかるため、まずは関係人口の増加が重要だと言われています。

マイクロアドの位置情報広告では、移住関連の広告配信を行った結果、広告に興味を示した方の県や市への来訪計測を行い、見込み移住者数を算出することが可能です。

これは、なかなか効果が出づらい移住訴求において一つの指標となります。




4-3 アンケート調査レポート


観光や移住の広告配信の結果として、「観光地の興味関心」や「観光地の来訪意欲」が上がったかアンケート調査で可視化することが可能です。


このように、チラシ広告と比較して効果の可視化を柔軟に行うことが可能です。

 


 5. まとめ

 

今回は、位置情報ターゲティング広告とチラシ広告の違いや効果計測手法について詳しくご紹介しました。

ユーザーの実際の行動履歴を活用した位置情報ターゲティングは魅力的な広告配信サービスです。


今までチラシ広告しか行ったことがない…という方も、低額予算から広告配信できる位置情報ターゲティング広告にぜひチャレンジしてはいかがでしょうか。

 

マイクロアドの位置情報事業に興味をお持ちいただいた方は、お気軽に資料請求またはお気軽にお問い合わせください!