ふるさと納税のPRにはどのような手段があるのでしょうか。またどのPR手段がより効果を得られるのかと併せてご説明します。昨今「ふるさと納税」が老若男女問わず人気を集めています。
令和3年度には、 ふるさと納税の受入額は約8,302億円を記録しました。この数字は、対前年度比約1.2倍で、受入額は右肩上がりで毎年上昇しています。
しかし、受け入れた寄付額から、返礼品にかかった費用等を差し引いた収支は、全体の34%にあたる自治体が赤字という結果が出ています。数ある自治体から寄付先として選んでもらうためには、魅力的な返礼品や効果的な広告が必要不可欠です。
この記事では、自治体が実際におこなっている取り組みや返礼品についてご紹介します。
また、ふるさと納税の寄付先として選択してもらうために、デジタルマーケティングを活用した自治体のPR方法を解説します。
記事の後半ではふるさと納税のPRに活かすことができる「まちあげ」についてもご紹介しますので参考にしてください。
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「ふるさと納税」という名前がついていますが、自分のふるさとだけではなく、ゆかりのある自治体や応援したい自治体に寄付をすることができる制度です。寄付金の使い道を指定できたり、地域の名産品などのお礼の品を受け取ることができるのが特徴です。
ふるさと納税は、自分が選んだ自治体に寄付した際に、寄付額のうち2,000円を超える部分について、所得税および住民税から控除を受けることができます。
例えば、ふるさと納税で5万円を寄付をすると、2,000円を引いた48,000円が翌年の所得税や住民税から控除される形です。さらに、寄付額の30%以内で食品や雑貨、体験などの返礼品を受け取ることができます。
なお、ふるさと納税の寄付金控除を受けるためには、確定申告をおこなうかワンストップ特例制度に申請することが必要です。
2008年4月に創設されたふるさと納税は、2019年6月より新制度に移行しました。もっとも大きな変更は、ふるさと納税の対象団体となるためには、総務大臣の指定が必要となった点です。
ふるさと納税が人気になった最大の理由は返礼品です。返礼品目当てで寄付金が集まるようになったために、高額な返礼品や、地元の特産品に関係のない返礼品を準備する自治体が出てきました。
そこで、総務省は返礼品を制限する以下の通達を出しました。
これらの基準を守らない自治体は、ふるさと納税制度の対象から外れるため、寄付をしても税金が控除されないようになりました。
人気が高まっているふるさと納税ですが、実際にどれくらいの方が利用しているのでしょうか。
都道府県別に利用者を見てみると、都心部の方が多く利用していることがわかります。
【都道府県別の利用者数】
1.東京都 1,456,524人
全国で約740万人が利用しており、利用者は年々増加しています。
利用者が増加しているふるさと納税ですが、具体的にはどんなメリットがあるのでしょうか。利用者と自治体双方のメリットを解説します。併せてふるさと納税のデメリットと問題点をご説明します。
ふるさと納税は利用者だけでなく、自治体にとっても以下のようなメリットがあります。
自治体への寄付金は、そのまま自治体の収入になります。自治体を応援してくれるファンを増やすことで、よりよいまちづくりをおこなうための財源にすることが可能です。
また、ふるさと納税の返礼品に地場産品を提供することで、特産品のPRと地場産業の振興につながります。これまで自治体に興味関心を持っていなかった方に対しても、返礼品などで魅力をアピールすることができます。
災害時の支援金としても寄付を募ることができるのもメリットの1つです。復興のための寄付金が直接自治体に集まるので、災害復旧事業や防災対策に役立てることができます。
一方、ふるさと納税の自治体側のデメリットは、自治体に入るはずだった税収が減ってしまう点です。本来であれば居住地の自治体に納税されるはずだった住民税が、ふるさと納税利用者は控除になるので、自治体はその分税収が減ることになります。
ふるさと納税は、利用者にとっても自治体にとっても多くのメリットがありますが、問題視されていることもあります。ここでは、以下のようなふるさと納税の問題点を解説します。
ふるさと納税は、返礼品の豪華さやニーズの高さが寄付金額に大きな影響を与えます。寄付する方の多くが返礼品目的に寄付するため、各自治体も寄付者を集めようと、よりよい返礼品を用意します。
ふるさと納税の本来の目的は地域の活性化や地域を応援することです。返礼品による寄付者の奪い合いは、本来の意味でのふるさと納税の目的から離れてしまっているといえます。
各自治体ではふるさと納税の寄付金を活用して、まちづくりのための様々な取り組みをおこなっています。ここでは、3つの自治体の取り組みと返礼品の事例をご紹介します。
富山県立山町では、ふるさと納税の寄付金の使い道として「奨学金返済応援補助金制度」を設けています。未来の人材を育成するために、奨学金の返済に充てられる補助金の制度を整備しました。高校や大学卒業後の若者のUターンを促す目的もあり、人口の増加や、人材の流出を抑える目的も兼ねています。
富山県立山市の主な返礼品
各自治体ではふるさと納税の寄付金を活用して、まちづくりのための様々な取り組みをおこなっています。ここでは、3つの自治体の取り組みと返礼品の事例をご紹介します。
宮崎県小林市はふるさと納税だけでなく、小林市のファンを増やそうとPR活動をおこなっているのが特徴です。PRに使用するポスターなどは市の職員が手作りしており、町の至る所に掲示されています。市職員の手作りポスターがきっかけで寄付先に選んだという声も多く寄せられています。
宮崎県小林市の主な返礼品
山形県長井市はふるさと納税で集めた寄付金の使い道を、子育て・教育や環境保護など4つの事業に限定しています。子育てであれば「子育て支援医療給付事業」、教育であれば「小学校における伝統文化継承事業」など、使い道を明確に提示しているのが特徴です。子育て世代からの共感を呼び、多くの寄付金が集まっています。
山形県長井市の主な返礼品
各自治体がそれぞれのやり方や取り組みで地元をPRし、地元ならではの返礼品を提示して寄付者を集めていることがわかります。
ふるさと納税のPRにはどのような手段があるのでしょうか。またどのPR手段がより効果を得られるのかと併せてご説明します。
全国の自治体にふるさと納税のPR手段についてアンケートを取ったところ、多くの自治体が活用しているのは、自治体のHPや民間ふるさと納税サイトでした。自治体のHPに関しては、84.6%とほとんどの自治体が実施しています。
実際にPRの効果を感じることができた取り組みとしては、「民間のふるさと納税サイト」という回答が67.1%にのぼりました。次に効果を感じることができたという回答が多かったのは、「自治体のHP」でした。
自治体が実施可能なふるさと納税のPRには、ホームページやWebサイト以外にも様々な手段があります。先ほどご紹介した手作りチラシやポスターなどのアナログな方法だけでなく、デジタルマーケティングもPR手段の一つです。
予算や工数など検討することは多くありますが、効果的なPR方法を模索していきましょう。
ふるさと納税のPRには、デジタルマーケティングが効果的です。ここでは、デジタルマーケティングを活用するメリットを解説します。
DMやポスター、テレビCMなどでの訴求は、どの程度反応があり効果があったのか判断が難しいのが難点です。一方、デジタルマーケティングを活用した際は、広告への反応をデータ化することができます。
ユーザーの性別・年齢・地域・流入元など細かなユーザー情報をリアルタイムで取得できるため、リード情報の精度が高くなるのがメリットです。
DMやポスター、テレビCMなどでの訴求は、どの程度反応があり効果があったのか判断が難しいのが難点です。一方、デジタルマーケティングを活用した際は、広告への反応をデータ化することができます。
ユーザーの性別・年齢・地域・流入元など細かなユーザー情報をリアルタイムで取得できるため、リード情報の精度が高くなるのがメリットです。
デジタルマーケティングを活用することで、配信した広告への反応をすぐに分析することが可能です。そして、分析結果を元に、広告施策の改善につなげることができます。
さらに、PDCAを回すことで費用対効果の最大化が望めます。
ふるさと訴求の効果的なPRを模索している自治体には、マイクロアドが提供する「まちあげ」の活用がおすすめです。どのようなサービスなのかを具体的にご説明します。
「まちあげ」を活用することで、ターゲットを絞った広告配信が可能です。
検索キーワードや過去のWebサイト訪問履歴から、ふるさと納税に興味関心の高い顕在層へのアプローチができるほか、潜在層へのアプローチも一気通貫で可能です。
ふるさと納税の検討者に絞って、広告配信をおこなった実例をご紹介します。
ターゲット |
ふるさと納税興味関心者 |
指標 |
認知 |
CPC |
25円 |
掲載期間 |
1ヵ月 |
CPCが25円と非常に広告費を抑えながら広告配信を実現することができました。
「まちあげ」は、その自治体に興味関心がある方や、ゆかりがある方へのターゲティング広告を配信することができます。例えば、その自治体近辺の観光名所を調べて旅行を検討してる方や、自治体がある都道府県を訪れたことがある方に向けて、ふるさと納税の訴求が可能です。
ふるさと納税は利用者にも自治体にもメリットがある制度です。
利用者は翌年の税金を前払いすることで、素敵な返礼品を受け取ることができたり、自身の応援したい自治体に寄付することができます。自治体も寄付者を多く集めることができれば、地域の課題を解決することができるでしょう。
自治体がふるさと納税の効果的なPRをおこなうには、デジタルマーケティングの活用が不可欠です。マーケティングプロダクト「まちあげ」は、地方自治体のニーズや課題に合わせた、効果的なマーケティングを実現できるので、ぜひ活用してみてください。